日本ガイシは科学技術の自由研究コンテスト「高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC)」を応援しています。
JSEC2021、同2020で日本ガイシ賞を受賞した次世代サイエンティスト2組を日本ガイシ本社に招き、
企業R&D担当者らと交流しました。
JSEC:Japan Science & Engineering Challenge
日本ガイシ本社も見学
撮影前には日本ガイシ主力製品の工場と研究所を見学しました。


日本ガイシの方々が世の中のために新しいものをつくり上げる姿にとても感動し、そういう姿勢は何においても大切だなというのをすごく感じることができました。

研究を仕事としている方々が普段は何をしているのかが分かり、ものをつくることに対する熱意も感じました。私たちも研究者になれることが分かったので楽しい一日でした。



企業研究者は漠然としたイメージしかありませんでした。質問に答えていただいたり、普段では入れない場所に行けたことで企業研究はすごいと思いましたし、知れば知るほど進路を悩みます。
未来サイエンティストの紹介
JSEC日本ガイシ賞の受賞者と研究テーマなどをご紹介します。
JSEC2021日本ガイシ賞

中島 里菜さん
大阪教育大附高天王寺校舎(2021年12月 受賞当時)
研究テーマ
水中を落下するふたつの液滴が相互に与える影響
「水滴」に関連する実験
JSEC2020日本ガイシ賞


川野 舞奈さん 永田 芙佳さん
広島大学附属高等学校(2020年12月 受賞当時)
研究テーマ
スープを飲むとき急に冷たく感じるのは本当か?-温度変化の少ないコップの開発-
山本貴博先生が解説!
どんな研究?
コーンスープのような粘性が大きくて温かい液体を飲むとき、急に冷たく感じたことはありませんか?
粘性の液体は対流が起こりにくいため、コップの周りや上から冷めて、真ん中の部分は温かく残ります。一定の時間と角度で注ぐ装置を作成して、3層に分けた液体の動きと温度を観察。はじめは冷めた上澄みが、後に真ん中の温かい液体が流れ込みます。その繰り返しによって温かい液体と冷たい液体を交互に感じることがわかりました。コップの底部にさまざまな形状の突起を設け、温度の異なる液体が合流しにくい形状、つまり温度差の少ない形状のコップを開発することができました。
ここがすごい!
川野さん、永田さんの研究は非常に独創的な点から始まっています。コーヒーやお茶などの飲み物とは異なり、温かいコーンスープを飲んでいるときは口元でスープの温度が変化を繰り返していることに気付きました。
2人はこのフシギを科学的にはっきりさせるために実験を繰り返したのです。研究を始めるにあたり、条件を整えるために予備実験を繰り返し行うことを出来ている点が流石です。
山本貴博先生が解説!
どんな研究?
ねばねばした液滴が水中に落ちていく様子を観察すると、輪状に分裂します。1滴の場合、分裂個数が浮力の値に応じて変わることが先行研究で得られています。そこで中島さんは、先行研究にない2滴の動きに着目して研究しました。分裂のパターンを分類して分析する中で、先行研究とは異なる現象を発見。1滴の浮力がある値を超えると分裂する個数は一定の値に決まるという新発見にたどり着きました。
ここがすごい!
中島さんは納豆のねばねば(実は中島さん自身は納豆が苦手!)が水の中で奇妙な動きをすることに興味を持ちました。そのフシギを解明するために観察を繰り返し、先行研究では見つかっていなかった新たな現象を発見したのです。
過去の人たちが見てきた範囲も説明しながら、新しい発想をもって中島さんがたどり着いた範囲まで説明する点に感服しました。