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実はアマチュアだった!? 微生物学の父レーウェンフック(No.11 ミクロの世界)

監修:生物学者  福岡伸一 
※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

今回のテーマ「ミクロの世界」のサイエンス

手作り顕微鏡で細菌や血球などを観察し、ミクロの世界の扉を開いたレーウェンフック。実はアマチュアのレンズ愛好家だった彼の飽くなき探究心が科学史に与えた功績を紹介します。

福岡ハカセのもう一言よろしいですか?

私は小学生の頃、顕微鏡に興味を持ち、その歴史を調べてみました。そのときに、アントニ・レーウェンフックの名前を知りました。17世紀、オランダ・デルフトに生まれた人です。彼はイギリスで作られた顕微鏡のことを知り、自分でもっと高倍率の顕微鏡を作ろうと考えたのです。

アントニ・レーウェンフック
アントニ・ファン・レーウェンフック
(1632~1723)

興味深いことに、同じ時代、同じデルフトに画家のヨハネス・フェルメールも生まれたことを知り、二人は互いにレンズの作用や光の科学に興味を持って親しく交流していたのではないか、と私は思っています。といっても、本格的にフェルメールのことを調べたのは、私が大人になってからのことです。
(参照:フシギなTV #3「まるで写真? 名画に隠れたサイエンス」

レーウェンフックの顕微鏡

さらに調査をすると面白いことがいろいろわかってきました。
レーウェンフックの観察ノートには、顕微鏡で見たさまざまな手書きスケッチが残されているのですが、レーウェンフックは「絵の上手な画家に描いてもらった」と記しています。私は、それがフェルメールのことではないか、と思ったのです。というのも、フェルメールが若くして亡くなったあと、レーウェンフックの観察ノートの絵が急に下手くそになっているからです(画家が変わったと考えられます)。もちろんこれはあくまで仮説です。

レーウェンフックによる昆虫の足の観察記録
レーウェンフックによる昆虫の足の観察記録
(出展:The Royal Society)

レーウェンフックがミクロの世界の扉を開いたことで、科学はその後、大きく発展していきました。
微生物がお酒の発酵に関わっていることや病気の原因になっていること、細胞の研究も進みました。現在では、分子や遺伝子のレベルで生命現象を解析する分子生物学の時代を迎えましたが、そのパイオニアがレーウェンフックなのです。

精子の観察記録
精子の観察記録(出展:The Royal Society)

レーウェンフックのようにアマチュアの愛好家が、科学の発展に大きな役割を果たした分野は、ミクロ世界の発見の他にもたくさんあります。たとえば、恐竜の化石の発掘、新種の昆虫の発見、彗星や超新星の発見がそうです。ここには、たくさんのアマチュア研究家のたゆまぬ探求の成果があるのです。

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