フシギなTV

まるで写真? 名画に隠れたサイエンス(No.3 フェルメールの光と影)

監修:生物学者  福岡伸一 
※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

今回のテーマ「フェルメールの光と影」のサイエンス

17世紀のオランダ画家、フェルメールの絵画は写真のように美しいことでも有名です。 でも、なぜ写真のように見えるのでしょう? そして、まだカメラのない17世紀になぜそんなことができたのでしょうか? 名画の秘密をサイエンスで紐解きます。

福岡ハカセのもう一言よろしいですか?

今回は17世紀、オランダの天才画家ヨハネス・フェルメールを紹介します。科学番組なのになぜ芸術(アート)?と思ったかもしれません。でも、科学と芸術は、昔も今も、方法こそ違えど、同じことを目指していると思います。この世界の美しさや生命の精妙さをなんとか表現したい、という目的です。

福岡ハカセが、特にフェルメールが好きなのは、フェルメールの絵の中に科学者的なマインドを感じるからです。正確な構図、光と影、レンズの作用、カメラ的な視点。そんな科学的な要素がいっぱい含まれています。それは当時、フェルメールが暮らしていたオランダ・デルフトが文化の交差点のような都市でもあったからだと思います。

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「地理学者」ヨハネス・フェルメール 1669年

フェルメールのすぐ近くには顕微鏡学者のアントニ・レーウェンフックが住んでいました。私は、レーウェンフックがフェルメールに、カメラオブスクラやレンズの作用を教えたのかもしれないと想像しています(あくまで想像です)。絵画を見ることによって、時間旅行をしたり、当時、科学と芸術がとても近い領域にあったことを感じたりできるでしょう。理系も文系も実はみんなつながっているのです。このTVでも分野にこだわらず、いろいろな側面のフシギを皆さんに紹介していきたいと思います。

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