三色重ねてブラックゼリー(No.32 色の三原色)
- 調理時間55分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
上から横から、何色に見える?
「色の三原色」である黄色、赤紫色(マゼンタ)、青緑色(シアン)を重ねてゼリーをつくってみましょう。
人間の網膜には、青・緑・赤それぞれの光に反応する3種類の視細胞があり、この3色の組み合わせにより、あらゆる色を見分けています。
このブラックゼリーの黄色の層では青い光が吸収され、赤紫色の層では緑の光、青緑色の層では赤の光が吸収されます。すると人間が感知できるほとんどの波長の光が吸収されてしまうため、3層を重ねると黒っぽく見えるのです。
Science point
実は明るいブラックホール!?
ほとんどの銀河の中心に存在するブラックホールは、非常に強い重力を持ち、周囲のものを引き寄せる天体です。宇宙一速い光さえ、いったん吸い込まれれば脱出できないので、ブラックホール自身は光を出しません。だから真っ黒な影にしか見えないのだろうと思いきや、実は太陽の1兆倍以上も明るく輝くブラックホールもあります。正確に言えば、ブラックホールを直接観測することはできませんが、ブラックホールに吸い込まれるちりやガスが高温になり、さまざまな波長の光を放出して輝くため、間接的にブラックホールが「見える」のです。ブラックホールの存在は、物理学者アインシュタインの一般相対性理論をもとに、20世紀初頭に予言されていましたが、完全に証明されたのは最近のことです。2019年、日本の研究チームを含む国際協力プロジェクトが、ブラックホールの影を取り囲むリング状の光の撮影に初めて成功しました。
なお、あらゆる波長の光を完全に吸収する仮想の物体のことを「黒体」といいます。ブラックホールは限りなく黒体に近いものの、自然界に完全な黒体は存在しないと考えられています。では、人類がつくった最も黒い物質をご存知ですか?「カーボンナノチューブ(CNT)フォレスト」というナノ素材です。この素材は、炭素でできた微細なチューブが林立する構造を持ち、この森に入った光は、さまよううちに99%がCNTに吸収されるため、真っ黒く見えるわけです。
材料
2人分(5.5cm四方の型3個分)
- 水
- 400g
- グラニュー糖
- 20g
- アガー
- 15g
- 着色料(赤、青、黄)
- ごく少量
つくり方
- ・型を水にくぐらせておきます。
- ・アガーとグラニュー糖を混ぜ合わせます。
下準備
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鍋に水を入れて中火にかけます。アガーとグラニュー糖を混ぜ合わせたものを、少しずつ振り入れながら泡立て器で優しく混ぜ溶かします。一煮立ちしたら火を止めます。
アガーを使用することで、透明で光沢感のあるゼリーに仕上がります。
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3つの容器に①を均等に分けます。着色料をそれぞれようじの先に1cm程度とって、ゼリー液につけて着色します。
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黄色のゼリー液を型の3分の1の高さまで流し入れ、冷蔵庫で20分冷やし固めます。
表面が固まったら、赤色のゼリー液を流し入れて冷蔵庫で10分冷やし固めます。
最後に青色のゼリー液を加えて冷蔵庫で10分冷やし固めます。型に入れる前にゼリー液が固まってしまった場合は、電子レンジ600w10秒の加熱を繰り返し、ゼリー液を溶かしてください。
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固まったら、ゼリーを上や横から見て、色の変化を観察してみましょう。
食べる際には、ゼリーを型から取り出してナイフで好みの大きさに切り、器に盛りつけます。 -
注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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