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辛いは熱い!?人体はセンサーのかたまり!(No.14 センサー)

監修:生物学者  福岡伸一 
※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

今回のテーマ「センサー」のサイエンス

暑さを感じれば発汗して熱を放出する、そんな当たり前の反応も、生物が環境の変化を感知するさまざまなセンサーを実にたくさん持っているから。
唐辛子を食べるとヒリヒリと熱く感じたり、ミントの入浴剤を入れると体が温まってもひんやりと感じたり。これもセンサーの働きなのです。
味覚と触覚を例に、近年進歩が著しいセンサーの世界を紹介します。

福岡ハカセのもう一言よろしいですか?

人間を含め生物は、環境の変化に適応して生きていかなければならないので、環境の変化を迅速、敏感に感じ取るためのセンサーをたくさん持っています。例えば気温が低下すれば、体内で熱を生産します。気温が上昇すれば、発汗して熱を放出します。山に登って酸素が減ると、酸素センサーが働いて呼吸量を調整します。

センサーの解説図

今回は、もっとも身近なセンサーとして、味覚と触覚を取り上げてみました。味覚は、食べ物の良し悪しや栄養素の有無を調べたり、毒物を避けたりすることに役立ちます。味覚の場合、舌の上にミクロな味覚レセプターというセンサーがあり、そこに甘み、塩味、苦味、酸味、旨味、辛味などがやってくると、反応して、この信号を電気に変えて、神経繊維を通じて脳に送ります。

センサーの解説図

蚊は、なるべく痛覚の神経を避けて針を刺すので、気づかれずに吸血できるのです(あとで痒くなるのはまた別のしくみ=アレルギー反応です)。なので、極細の針を作って、痛覚を避けて刺す、痛くない注射器の開発がなされています。さらに蚊は、痛みを感じるセンサーの機能を弱める成分を皮膚の中に注入していることも分かってきました。

センサーの解説図

生物のセンサーに学んで、これを産業に応用する技術革新が進んでいます。温度、気圧、湿度などのセンサーを多数設置して、この情報を集めることで精度の高い天気予報が行えます。また、植物工場では、室内で植物を育てます。光の量、水の量、養分の量、光合成に必要な二酸化炭素の濃度などを細かくセンサーで測定し、いつも最適値になるようにコントロールしています。こうすると自然の変化に左右されず、安定した収穫が得られ、また人手を節約することにもつながっています。屋内だけでなく屋外についても、太陽光電池で動き続ける小型センサーの開発が進んでいて、自然エネルギーとIoTを活用して広大な農地を管理することもできそうです。

センサーの解説図

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