丸ごとホットに焼きリンゴ(No.9 炎色反応)
- 調理時間30分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
電子レンジで2分! 炎で仕上げる簡単焼きリンゴ
オーブンを使うと時間がかかる焼きリンゴを、電子レンジで簡単につくれます。ポイントは、ビターな香ばしさを加える仕上げのフランベ。
ラム酒に加える材料を変えると、炎が黄色やオレンジ色、紫色に色変(いろへん)します。
真っ赤なリンゴに灯る炎が美しいロマンチックなスイーツです。
※フランベとは、調理の最後に洋酒を掛け、火を付けてアルコールを飛ばし、料理に風味を付ける調理法のこと。
Science point
原子をあらわす炎の色
【炎色反応】
私たちの身のまわりの物質は原子でできています。しかし原子はとても小さく、肉眼で見ることはできません。それでは私たちはどのようにして原子の種類を知ることができるのでしょうか? その一つの方法に「炎色反応」があります。炎色反応とは、物質を高温の炎の中に入れて熱すると、原子1つ1つにばらばらに分解され、原子固有の色を発する反応のことです。この色を見ることで、原子の存在を知ることができるのです。まるで炎色反応は、目に見えない原子からのメッセージのようですね。
今回、焼きリンゴをフランベすると3色の炎が見られたのは、それぞれ異なる材料を混ぜてあったから。黄色の炎は、食塩(塩化ナトリウム)のナトリウム原子によるものです。オレンジ(橙赤)(とうせき)色はカルシウム。淡紫の光は、焼きミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)のカリウム原子です。
現代の花火が鮮やかになったのは?
夏の夜空を華やかに彩る花火。花火職人は、ナトリウムなら黄色、銅なら青緑色、ホウ素なら黄緑色といった、原子と色の関係を利用して、色鮮やかな美しい花火をつくっています。花火の歴史は古く、紀元前に中国で発明された狼煙(のろし)が起源といわれています。その後ヨーロッパに伝わって鑑賞用となり、日本でも伊達政宗や徳川家康が花火を鑑賞したという記録が残っています。しかし、昔の花火は燃焼温度が低かったため、火薬の燃える色である赤や橙、黄、白が花火の色でした。
現代の花火は3,000℃に近い高温を出せるようになり、炎色反応による青や緑などの鮮やかな色を出すことができるのです。
材料
1人分
- リンゴ(紅玉)
- 1個
- バター
- 7g
- きび糖
- 3g
- レーズン
- 3粒
- 卵白
- 1個分
- グラニュー糖
- 50g
- (フランベ用)ラム酒
- 20ml
<炎の色を変える材料>
- 食塩
- ひとつまみ
- カルシウムサプリメント
- 1粒
- 焼きミョウバン
- ひとつまみ
つくり方
- ・カルシウムサプリメントはポリ袋に入れ麺棒などでたたき粉状にしておきます。
下準備
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リンゴの底を残して芯をくりぬきます。
くりぬいた部分の周囲をナイフで切り落として、口を広くします。 -
リンゴの芯をくりぬいた部分に、バター、きび糖、レーズンを交互に入れます。
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ココット(円形の耐熱容器) に入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで2分(600w)加熱します。
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ハンドミキサーで卵白を泡立てメレンゲをつくります。白くなってきたら、3回に分けてグラニュー糖を加えて、ボウルを横にしても落ちないくらいの固さまで泡立てます。
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星口金をセットした絞り袋にメレンゲを入れます。③の上に山になるよう上へ高く絞ります。
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ラム酒に食塩をひとつまみ加え、弱火にかけて、蒸発し始めたころに引火してフランベし、⑤に回し掛けます。
【注意】フランベすると火は大きくなります。服装や髪の毛、引火しやすい物が周囲にないかなどよく確かめ、火の取り扱いには十分気を付けてください。塩やミョウバンを入れすぎると、塩味や苦味が強くなるため、注意してください。
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注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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