おいしいフシギ

宝石? 鉱石?きらめく琥珀糖(No.6 砂糖の結晶化)

  • 調理時間50分
宝石? 鉱石?きらめく琥珀糖 宝石? 鉱石?きらめく琥珀糖

監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

宝石みたいなキラキラ砂糖菓子

その名が宝石の琥珀に由来する「琥珀糖」は、寒天と砂糖を原料とした和菓子です。できたてをすぐに食べれば、プルプル食感と透明感を楽しめます。数日乾燥させれば外はシャリッと、中はやわらかな琥珀糖のできあがり。
異なる食感を体験できるのは手作りならでは。まるで長い年月を経て生まれる鉱石のように日を追うごとに変わっていく、見た目と味わいを楽しんで。

Science point

寒天の網目構造の中に水を閉じこめる

琥珀糖の表面のシャリシャリした食感は、ショ糖の結晶によるものです。乾燥させるとき、水分は表面から少しずつ蒸発していき、ショ糖の結晶が表面に現れたのです。
もし、ただのショ糖水を乾燥させたら、水分が全て蒸発して結晶だけが残るはずです。しかし、琥珀糖の内部には水分が残り、表面だけが結晶化します。これは、寒天がつくりだす現象です。
寒天は、水に溶けると網目状の構造をとり、網目の中に水を蓄えることができます。そのため、室温で放置しても表面が乾燥するだけにとどまります。琥珀糖のプルプルした食感は、寒天の網目構造と、その中に閉じ込められた水がつくっているのです。
20℃と100℃の水では、ショ糖の溶ける量は2倍以上も違います。水の温度が高いときに限界までショ糖を溶かしておくと、冷やしたときに限界を超えた分の糖が結晶化します。

寒天とゼラチンのちがいは?

寒天と似たものにゼラチンがあります。寒天は海藻から抽出したもの、ゼラチンは動物の骨や皮に含まれるコラーゲンに熱を加えて抽出したものです。寒天とゼラチンの大きな違いは、溶ける温度です。
寒天は約70℃にならないと溶けないため、琥珀糖やところ天など固めの食感を楽しむ食品に使われます。一方、ゼラチンが溶けるのは約30℃。口の中の温度で溶けるので、ババロアやジュレなど口溶けのよさが欲しいときに使われます。

生物学の研究でも欠かせない寒天

寒天の網目構造をつくる主な成分は「アガロース」というものです。網目構造の中にいろいろな成分を閉じ込めることができるうえに、ヒトの体温付近では溶けないため扱いやすいことから、細菌などの微生物を育てるための「寒天培地」として使われています。
また、アガロースを板状に固めて、その中にDNAを入れて電気を流すと、DNAを大きさで分けることができます。料理に欠かせない寒天ですが、生物学の研究でも欠かせない材料となっています。

結晶でも非結晶でもない物質

水晶玉とガラス玉はどちらも透明で、肉眼で見る限りその違いはあまりありません。ところが、原子レベルでは全く違った構造をしています。どちらも、主にケイ素と酸素の原子で構成されていますが、水晶は原子が周期性を持ってきれいに整列している「結晶」であるのに対して、ガラスは原子が不規則に並ぶ「非結晶(アモルファス)」という固体なのです。
以前は世の中にある固体を構造で分類すると、結晶か非結晶の二種類に分けられると思われていましたが、1984年にどちらにも分類されない新しい固体「準結晶」が見つけられ、発見者のダニエル・シェヒトマン氏はノーベル化学賞を受賞しました。準結晶は、結晶のような完全な周期性はないものの、一定の規則性はあるというなんともフシギな構造を持っています。例えば準結晶の構造例の一つ、ペンローズ・タイル(図)は、二種類のひし形が規則的に組み合わさって作られていますが、周期性は見つけられません。
また、準結晶は、結晶や非結晶と異なる性質を持つことが知られています。例えば、一般的には電気を通しやすい金属ほど熱も通しやすいのですが、準結晶構造の合金の中には、電気をある程度通しても熱を通しにくい性質を持つものがあります。この特徴を生かして、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する「熱電発電」への応用研究が進められています。わずかな温度差を利用して発電する熱電発電において、熱を通しにくい準結晶合金は、この温度差を保ちながら高い発電効率を発揮できると期待されているのです。身の回りの熱を電気に変換できれば、エネルギー問題の解決に貢献できるかもしれませんね。

準結晶原子配列モデルのイラスト

準結晶の原子配列のモデル

ある点を中心に72度回転させると元の図形と重なるという規則性を持つ
画像提供:東京理科大学 田村隆治研究室

完成品のイメージ画像

15cm×18cmバット1枚分

200g
グラニュー糖
300g
粉寒天
4g
着色料(赤、オレンジ)
ごく少量

つくり方

下準備

  • ・寒天液を入れるバットは水にくぐらせておきます。
  1. 水、グラニュー糖、粉寒天を鍋に入れ、沸騰するまで中火で温めます。温めている途中にアクが出たらスプーンですくって取り除きます。

    作成中のイメージ画像

    Cooking point

    アクが残ると寒天が濁り、きれいに仕上がりません。丁寧に取り除きましょう。

  2. 沸騰したら弱火にして約1分温め、糸を引く程度のとろみがついたら火から下ろします。

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  3. 二つの耐熱容器に寒天液を等分します。

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  4. 片方を赤、もう片方をオレンジに着色します。

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    Cooking point

    つまようじの先に着色料をつけ、寒天液に少量入れたら、それぞれスプーンでかき混ぜて色味を調整します。

  5. 寒天液をバットへ流し入れ、冷蔵庫で30分冷やします。

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    Cooking point

    バットの角からオレンジ、赤の順に寒天液を流し入れると、美しいグラデーションをつくることができます。

  6. 固まった寒天をバットから取り出します。

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  7. ナイフで好きな形にカットします。

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  8. オーブン用シートに間隔をあけて並べ、3〜4日(夏場は4〜5日)室温で乾燥させます。

    作成中のイメージ画像

    Science point

    日を追うごとに寒天の表面が乾燥し、結晶化した砂糖で覆われていきます。

  9. 完成

    完成品のイメージ画像

注意事項

  • 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
  • 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
  • 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
  • NGKサイエンスサイトは日本ガイシが運営しています。ご利用に当たっては、日本ガイシの「プライバシーポリシー」と「ご利用条件•ご注意」をご覧ください。
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