ナチュラルカラーイースターエッグ(No.40 多孔質)
- 調理時間2時間30分


監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
すぐ染まる卵の殻
キリスト教の復活祭(イースター)や春の訪れを祝うために飾られるイースターエッグ。卵の殻は多孔質で色素を吸収しやすいため、野菜や果物の色素ですぐ染まり、レンガ色やモスグリーンなどアースカラーのイースターエッグが簡単につくれます。取り出した卵の中身は、キッシュの材料として活用します。

Science point
ひとりでに立ち上がるゆで卵
卵を割らずに、ゆで卵と生卵を簡単に見分ける方法を紹介しましょう。テーブルの上で卵を回転させて、一瞬止めた後に指を離してください。ゆで卵はそのまま止まりますが、生卵なら再び少し回りはじめます。これは、生卵の中の液体はまだ動き続けていて、その運動が殻に伝わるためです。
では、別の実験をもう一つ。テーブルの上で、ゆで卵をさらに勢いよく高速で回すと何が起きるでしょうか? 卵は回転しながらひとりでに立ち上がります。昔から知られている有名な現象ですが、その理由がはっきり分かったのは2002年と意外にも最近のことです。高速で回転する卵形の物体には、重心を高くしようとする性質があり、その結果、立ち上がります。肉眼では分かりにくいのですが、ゆで卵が立ち上がるときには、小刻みに0.1mmほどジャンプしていることも実験で証明されました。この立ち上がり現象は、卵形だけでなく、ラグビーボールやレモンなどの楕円(だえん)形の物体に共通して見られます。
卵の殻の主成分である炭酸カルシウムは、大理石や石灰岩などの鉱物の主成分でもあります。これらは、かつて海洋生物の貝殻やサンゴの骨格などが堆積してできたものです。原始の大気に高濃度で存在していた二酸化炭素(CO₂)を鉱物に固定する上でサンゴは重要な役目を果たしたと考えられています。その一方、サンゴが炭素を骨格に閉じ込める過程で、CO₂を放出するという意見もあり、現在の地球温暖化対策におけるサンゴ礁の効果については長年議論が続いています。

材料

(イースターエッグ)8個分
(キッシュ)直径15cmの型 1台分
<イースターエッグ>
- 卵の殻
- 8個
- チャービルの葉、またはパセリの葉
- 適宜
- 染色液用の野菜や果物:玉ねぎの皮(オレンジ色)、ビーツ(ピンク色)、紫キャベツ(水色)、大葉(緑色)、ブルーベリー(ブルーグレー色)などお好みで
<キッシュの生地>
- 全卵
- 2個分
- 牛乳
- 125g
- 生クリーム
- 125g
- ターメリック
- 1g
- 冷凍パイシート
- 1枚
- 溶けるチーズ
- 40g
<キッシュの具>
- 玉ねぎ
- 1/2個
- ビーツ
- 1/4個
- 紫キャベツ
- 1/4枚
- 大葉
- 2枚
- ブルーベリー
- 適宜
つくり方
- ・卵を流水で洗います。
- ・オーブンを180℃に予熱します。
下準備
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イースターエッグをつくります。卵の上部と下部に、キリを使って小さな穴を2カ所開けます。上の穴からシリンジ(針のない注射器)で空気を入れて、下の穴から出てきた卵の中身をボウルで受けます。(取り出した卵液は⑥以降でキッシュの材料として使います)
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卵の殻に模様をつけるため、チャービルまたはパセリの葉を貼り付け、その上にかぶせたお茶パックの口を輪ゴムできっちりしばり、葉がずれないように固定します。
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オレンジ色の染色液をつくります。鍋に水400mlと玉ねぎの皮を入れて、中火で10分加熱して煮出します。火を消し、玉ねぎの皮を取り出します。②の卵の殻を入れ、そのまま30分程度待ちます。
多孔質な構造を持つ卵の殻は、野菜や果物の色素を吸収しやすく、短時間で染まります。
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ペーパータオルで水気をふき取り、お茶パックと葉を取り除きます。
染色液をしっかり拭き取らずに葉をはがしてしまうと、模様がにじんだり崩れたりします。
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他の染色用の野菜や果物を使い、同様に卵の殻を着色します。
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取り出した卵液を利用してキッシュ生地をつくります。ボウルに分量の卵液と牛乳、生クリーム、ターメリックを入れ、泡立て器で混ぜ合わせます。
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型に冷凍パイシートを敷き、型の形に整えます。その上にクッキングシートを敷き、重石を乗せて180℃に予熱したオーブンで20分焼きます。重石を型に入れたまま粗熱をとります。
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フライパンを中火にかけてオリーブオイルを熱します。玉ねぎを切って炒めて、焼いたパイ生地に入れます。
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キッチンペーパーで水分を拭き取り、ざく切りにしたビーツ、紫キャベツ、大葉、ブルーベリーとチーズをのせます。⑥のキッシュ生地を流し入れ、180℃に予熱したオーブンで30分焼きます。
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注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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