落ちる?落ちない?ニュートンパフェ(No.34 重力)
- 調理時間30分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
まるで無重力?「落ちない」デザート
逆さにしても落ちてこないフシギな生クリームと思いきや、実はこれはメレンゲです。卵白を泡立てると、中に含まれるタンパク質が空気に触れることで構造が変わり、徐々に固いメレンゲになります。
ビスケットにメレンゲを絞り、逆さまにしてグラスの中を飾れば、まるで無重力空間。もっちりフワッとした食感と、見た目も楽しめるエアリーなメレンゲパフェのできあがり。
Science point
物理学者を沸かす「重力は幻想」という理論
国際宇宙ステーション(ISS)で生活をする宇宙飛行士の映像を見ると、ぷかぷかと宙に浮かんでいます。これをよく「無重力」と表現しますが、高度約400キロメートルにあるISSの中にも地球からの重力は存在していて、その大きさは地上の10%ほど。決して無重力ではないのです。それでも宇宙飛行士が宙に浮くのは、ISSが時速25万キロメートルという高速で地球をグルグル周回することによる遠心力が、宇宙飛行士に働くためです。つまり、重力が宇宙飛行士を地球に引き付けようとするのに対して、遠心力が宇宙飛行士を地球から遠ざけようとし、打ち消しあって宇宙飛行士の体が宙に浮き上がるのです。これは月が地球に落ちない理由と同じです。
アイザック・ニュートンが発見した万有引力は、物体間の距離の2乗に反比例するため、何億光年離れた星の間にも引力は働きます。そのうえ宇宙には無数の星々があるので、宇宙空間のどこにも無重力の場所など存在しないといえます。
ところが最近、重力に関連する興味深い理論が注目されています。「ホログラフィック原理」です。ホログラムとは、二次元から再現した立体像のことを指します。これと同じように、私たちを取り囲む三次元の世界は、ある二次元平面に書き込まれた情報から再現された像であるというのです。二次元の世界は無重力なので、その像である私たちの世界でみられる重力は幻想では?というわけです。
現在、ホログラフィック原理の検証が試みられている段階ですが、今後が楽しみですね。
材料
2人分(グラス2つ分)
- 卵白
- 1個分
- グラニュー糖
- 40g
- バニラエッセンス
- 3滴
- イチゴジャム
- 60g
- グラノーラ
- 40g
- ビスケット
- 2枚
デコレーション
- シュガーペーストのリンゴ、ハーブ、ピスタチオダイスなど お好みで
つくり方
- ・絞り袋に星口金をセットします。
下準備
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グラスにいちごジャムとグラノーラを入れます。
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ボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーで泡立てます。空気が含まれて卵白が白っぽくなったら、グラニュー糖を3回に分けて加えながらさらに泡立て、固いメレンゲにします。
グラニュー糖(砂糖)には、卵白の泡立ちを保ち、メレンゲの気泡を安定させる性質があります。しかし、一度にまとめて砂糖を加えると、砂糖と水がなじんで粘性が高まり、泡立ちません。最初は卵白だけで泡立ててから3回に分けて砂糖を加え、徐々に気泡をきめ細かくして、ボリュームのあるメレンゲをつくります。
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ボウルを逆さにしてもメレンゲが落ちてこないくらいの固さになったら、バニラエッセンスを加え、ゴムベラで混ぜ合わせます。
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絞り袋にメレンゲを入れ、ビスケットの上に絞り、シュガーペーストのリンゴやピスタチオダイスなどでデコレーションします。
ビスケットの表面には凹凸があり、ビスケットとメレンゲの接する面積が広いほど吸着力が高まります。メレンゲを大きく絞るほど、ビスケットを逆さまにしてもメレンゲが落ちにくくなります。
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メレンゲが下になるようにビスケットをグラスにのせます。グラスにふたをしたビスケットの上にもメレンゲを絞り、お好みのデコレーションをします。
メレンゲは生でも食べられます。
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注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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