おいしいフシギ

ソーラークッキングチーズ(No.31 太陽エネルギー)

  • 調理時間40分
ソーラークッキングチーズ(No.31 太陽エネルギー) ソーラークッキングチーズ(No.31 太陽エネルギー)

監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

科学と自然の力でチーズづくり

反射板を使って太陽光を効率良く集め、熱源として利用するソーラークッカー。天気の良い日にはソーラークッカーを使って、屋外でカッテージチーズをつくってみましょう。カッテージチーズは、発酵させずに、牛乳に酢やレモン汁など酸性の材料を加えて手軽につくれるチーズです。酸によってタンパク質が集まる「凝集」という性質を利用して固めたもので、熱を加えることで凝集はさらに進みます。牛乳と酢を入れた缶をクッカーに置き、待つこと30分。アウトドアパーティーのはじまりです。

牛乳に酢を加えて30分後。温めるとカッテージチーズがよく固まる

Science point

ダイヤモンドをも燃やす太陽光の力

ソーラークッカーやレンズは、太陽光を1点に集めることでエネルギー密度を高めることができる便利な道具で、サイズを大きくすればするほどエネルギー密度は大きくなります。このことを利用して面白い実験をした科学者がいます。質量保存の法則を発見した近代化学の父、ラボアジエです。彼は二つの巨大なレンズを使い、なんとダイヤモンドを燃焼する実験を行いました。高価なダイヤモンドを燃やすなんて、とんでもない変わり者だと思うかもしれませんが、この実験には科学的に重要な目的がありました。18世紀当時、透明で極めて硬いこの物質の正体は不明でした。ラボアジエは実験の結果、ダイヤモンドが燃焼して二酸化炭素(CO2)が発生すること、つまりダイヤモンドが動物や植物と同じ炭素でできていることを突き止めたのです。

ちなみに、地球に降り注ぐ太陽光エネルギーの総量は、1秒あたり42兆キロカロリーであり、太陽はわずか45分で人類が1年間に消費するエネルギーを供給することができます。太陽光発電は、地球温暖化の原因となるCO2を排出せず枯渇しないエネルギー資源として、さらなる活用が期待されますが、その発電量は天気に左右されコントロールが難しいという弱点があります。そこで活躍するのが蓄電池です。気象状況の良い時に発電して蓄電池に充電しておけば、夜間でも安定的に電力を供給できます。数百から数万世帯分の電力をためられるような大容量蓄電池も世界中で稼働していて、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。

ソーラークッキングチーズの解説図

材料のイメージ画像

1人分

牛乳
250g
大さじ1

つくり方

下準備

  • ・晴天の正午ごろ、ソーラークッカー(市販品※)を屋外に設置し、風で飛ばされないように重りなどで固定します。
  • ※アルミ製のキッチン用パネルなどで代用できます。
  1. 空き缶の外側に黒いテープを巻きます。缶に牛乳と酢を入れてスプーンで混ぜ、アルミホイルでふたをします。

    Science point

    黒色は太陽の熱(赤外線)をよく吸収するため、缶の温度が高くなります。

  2. ソーラークッカーに①を設置し、缶に光が集まるようにクッカーの角度を調整しながら約30分温めます。

    作成中のイメージ画像
  3. 水分と固形分の分離が進み、おぼろ豆腐のような固まり(カッテージチーズ)ができたら、ソーラークッカーから缶を取り外し、茶こしで固形分を取り出します。
    【注意】
    熱くなった缶をソーラークッカーから取り出すとき、軍手を使うなどして缶に直接触れないようにしてください。

    作成中のイメージ画像
  4. フルーツや野菜、生ハムなどにカッテージチーズを添え、オリーブオイルや塩などお好みで調味します。

  5. 完成

    完成品のイメージ画

注意事項

  • 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
  • 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
  • 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
  • NGKサイエンスサイトは日本ガイシが運営しています。ご利用に当たっては、日本ガイシの「プライバシーポリシー」と「ご利用条件•ご注意」をご覧ください。
  • 本サイトのコンテンツ利用に関しては、本サイトお問い合わせ先までご相談ください。

このサイトが気に入ったらシェアしてください

page top

お気に入りを削除します

1件のお気に入りを削除します。よろしいですか?