おいしいフシギ

アルキメデスのゼリーポンチ(No.3 浮力)

  • 調理時間45分
アルキメデスのゼリーポンチ アルキメデスのゼリーポンチ

監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

グラスの中層で漂う、色とりどりのゼリー。
浮かせず、沈めず、思うままに操ろう

グラスにシロップ、ゼリーを順番に入れ、ブルーのソーダ水をゆっくり注ぐと、ゼリーがシロップとソーダ水の間を、ゆ~らゆら!
ゼリーを星形にして夜空のように漂わせてみたり、魚形にして泳がせたり、お花畑をつくったり、いろんな形や色でアートのように楽しんでみて。

Science point

なぜ、ゼリーはグラスの底に沈んだり、表面に浮かび上がったりせず、液体の中層にとどまることができたのでしょうか。これは、「密度」が関係しています。ソーダ水の密度を1.00g/cm³として、ゼリーの密度を約1.01 g/cm³、シロップの密度を約1.02 g/cm³になるようにレシピを計算してつくれば、密度の高い順に、底にシロップがたまり、その上にゼリー、さらに上にソーダ水の層を重ねることができるのです。浮力は、液体の密度が高いほど、沈めた物体の体積が大きいほど強くなります。この原理を利用して、液体の密度を測定する浮きばかり「浮秤」(ふひょう)は、果汁やワインの密度を測定して糖度などを調べるときに使われています。

浮力の解説図

アルキメデスが見抜いた、密度の違う王冠

浮力を最初に発見したのは、古代ギリシアの数学者アルキメデスといわれています。アルキメデスは王から、王冠が不純物の混じっていない純金かどうか、王冠を壊さずに調べるように相談されました。そこでアルキメデスは、それを確かめるために、棒の一方に同じ重量の純金をつるして水に沈める実験を行いました。すると、王冠が上に浮いたのです。同じ重量でありながら王冠にかかる浮力の方が強いということは、密度に差がある、つまり王冠は純金よりも体積が大きいことを意味し、王冠に不純物が混ざっていることを証明できたのです。

浮力の解説図

氷山の「一角」はどれぐらい?

表面に見えている物事が全体のほんの一部にすぎないことを、「氷山の一角」と言いますよね。氷山が海に浮かぶのは、氷の密度が海水の密度より小さいため。ただし、その差が小さいので、氷山の大部分が海中に沈まないと、海に浮かぶだけの浮力が得られないのです。「浮力の大きさは、物体が押しのけた液体の重さに等しい」というアルキメデスの原理を用いれば、氷山の密度と海水の密度、たった二つの数字からこの「一角」の程度を割り出すことができます。(下記参照)
氷より密度の大きい鉄でできた船が水に浮かぶのもアルキメデスの原理で説明できます。鉄を平らな「たらい」状に伸ばすことで押しのける水の体積を増やし、大きな浮力を生み出しているのです。
ちなみに、大型船の「喫水線」より下、つまり水面より下の船体はよく赤く塗られています。これは、フジツボなどの付着を防止する亜酸化銅に由来する赤色で、貝類が付着して摩擦抵抗が増大し、船の速度や燃費が低下することを防いでいるのです。

浮力の解説図
浮力の解説図 浮力の解説図

完成品のイメージ画像

4人分

<ゼリー>

120g
かき氷シロップ 青(ブルーハワイなど)
10g
かき氷シロップ 黄(レモンなど)
10g
かき氷シロップ 緑(青3g+黄7g)
10g
板ゼラチン(粉ゼラチンでも作れます)
6g

<シロップ>

800g
グラニュー糖
480g

<ソーダ水>

ソーダ
200g
各着色料(紫、緑、青、黄)
ごく少量

つくり方

下準備

  • ・板ゼラチンは、たっぷりの水で戻しておきます。
  • ・かき氷シロップは、青、黄、緑それぞれ10gずつ、3つの容器に分けておきます。
  • ・ゼリーを固める型(バット)も3つ用意し、水にくぐらせておきます。
    水の膜により、寒天が固まった後、型から取り外しやすくなります。
作成中のイメージ画像 作成中のイメージ画像
  1. <ゼリー>をつくる
    小鍋に分量の水を入れて中火にかけ、沸騰直前まで温め、火から下ろす。よく水気を切った板ゼラチンを加え、ゴムベラで混ぜて溶かします。

    作成中のイメージ画像
  2. かき氷シロップの入った3つの容器に、①を等分して入れそれぞれ型に流し入れて冷蔵庫で約40分冷やします。

    作成中のイメージ画像
  3. <シロップ>をつくる
    小鍋に水とグラニュー糖を入れ中火にかけ、ゴムベラで混ぜながら砂糖をすべて溶かして火を止めます。粗熱をとり、耐熱容器に入れて冷蔵庫で冷やしておきます。

    作成中のイメージ画像
  4. 固まった②を型から外してクッキングシートに取り出し、ナイフや型で大小さまざま三角形や四角、円にくり抜き、再び冷蔵庫に入れて冷やしておきます。

    作成中のイメージ画像
  5. ソーダ水に着色料を加えます。

    作成中のイメージ画像
  6. ③のシロップをグラス半分まで注ぎ、ゼリーをグラスに適量入れます。

    作成中のイメージ画像

    Science point

    ゼリーがシロップに浮かぶのを確認できます。

  7. 続いて⑤のソーダ水をスプーンなどでそっと乗せるように加えて、ゼリーの位置を確認します。

    作成中のイメージ画像

    Science point

    ゼリーがシロップとソーダ水の間に漂っている状態を確認できます。

  8. 完成

    完成品のイメージ画像

注意事項

  • 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
  • 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
  • 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
  • NGKサイエンスサイトは日本ガイシが運営しています。ご利用に当たっては、日本ガイシの「プライバシーポリシー」と「ご利用条件•ご注意」をご覧ください。
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