シュワシュワ 噴水フルーツポンチ(No.27 二酸化炭素)
- 調理時間15分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
CO2を呼び覚ますのは、無数の小さな穴
ソーダ水にラムネを入れると、泡が一気に吹き出します。その理由の一つは、ラムネが多孔質であること。多孔質とは、表面に無数の小さな穴をもつ構造のことです。ソーダ水に溶けていた二酸化炭素(CO2)の分子が、穴にぶつかった刺激で気体に変化し、泡となって勢いよく吹き出すのです。 ソーダ水を入れたグラスを色とりどりのフルーツで囲んだら、ラムネをポトンと落としてみましょう。 吹き出す泡の様子も楽しい、炭酸はじけるフルーツポンチのできあがりです。
Science point
CO2を回収せよ!
ソーダ水の泡の正体は二酸化炭素(CO2)です。ご存じの通り、地球上で発生したCO2は、植物の光合成によって酸素(O2)に変換されます。しかし国際宇宙ステーション(ISS)では、地上と違い植物の光合成に頼れません。人の呼吸によるCO2発生量は1日平均1キログラムといわれます。常時滞在している宇宙飛行士から発生するCO2を、どのように処理しているのでしょう? いくつかの方式が採用されていますが、その中の一つが CO2を回収して船外に排出するというものです。小さな空洞がたくさんある、ゼオライトという多孔質材料でCO2を効率よく吸収し、熱を加えるとCO2を放出する性質を生かして船外に排出しています。他にはCO2を再利用する方式も採られていて、CO2を水素(H2)で還元して水を発生させ、船内の生活水として再利用しています。
さて、CO2は地球温暖化の原因となる温室効果ガスの一つとして、世界中で削減につながる研究がされています。中でも、温室効果ガスの排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)への有力な手段として注目されているのが、大気中から直接CO2を回収する「ダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)」という技術。大気中に0.04%しか含まれないCO2を効率的に、より省エネルギーな手法で集めるために、CO2吸着剤や、CO2との接触面積を広げることができる多孔質セラミックス材などの開発が進められています。ISSのような閉鎖空間ではなく、地球規模での科学者たちのチャレンジが始まっています。
材料
2人分
- ソーダ水(甘みのあるもの)
500ml入りペットボトル - 1本
- ラムネ
- 9粒
- イチゴ
- 5粒
- メロン
- 1/4個
- キウイ
- 1個
- オレンジ
- 1個
- パイナップル
- 1/4個
- サクランボ
- 4個
- ブドウ
- 4粒
- ミント
- お好みで
つくり方
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フルーツをカットします。イチゴは輪切り、キウイは皮をむいて半月切り、オレンジは実をくし切り、パイナップルは一口大に切ります。メロンはフルーツボーラーで球形にくり抜きます。
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深皿の中央にグラスを置き、グラスを囲むようにフルーツを彩りよく盛り付けます。
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グラスにソーダ水を注いだら、ラムネを3個ずつ入れます。ラムネによってソーダ水のCO2が気泡となり、ソーダ水がグラスからあふれて深皿に流れ込みます。
ソーダ水の入っているボトルを一度開封すると、ボトル内の圧力が低下して次第にCO2が抜けていきます。開封直後のソーダ水を使用し、すばやくラムネを入れてください。
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フルーツの上にミントをお好みで飾ります。
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注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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