真空コンポート(No.25 真空)
- 調理時間40分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
フルーツが染まる、真空パワー
真空パックを活用してフルーツコンポートをつくれば、酸化による変色を抑え、色鮮やかに仕上げることができます。
パックに入れて調理するため、崩れやすい食材でも形をきれいに保てます。低温で加熱するのでフルーツに含まれる食物繊維を壊さず、リンゴなら、やわらかさの中に少しシャキシャキ感も残った新しい食感のコンポートができあがります。
このまま手軽に持ち運べるカラフルなフルーツは、ピクニックのデザートにもぴったり!
Science point
吸っているようで、押し上げている?
飲み物を飲む時に便利なストローですが、どのような仕組みで飲み物が吸い上げられているか知っていますか?
ストローで液体そのものを吸っているのではなく、ストロー内の空気を吸って真空状態をつくることで、液体が周りの大気圧によって押し上げられるのです。
地下水をポンプでくみ上げるのも同じ原理を活用したものですが、10メートル以上の深さからくみ上げることはできません。これは17世紀には知られていた事実であり、近代科学の父として知られるガリレオ・ガリレイは、その原因には真空、つまり大気圧との圧力差が関係していると推察しました。しかし実証には至らず、最終的にはガリレオの弟子であるエバンジェリスタ・トリチェリが、ガラス管に入れた水銀は真空状態で約76センチメートルより上には上がってこないことを解き明かしたのです。水銀は水よりも体積あたりの質量が13.6倍大きいため、水銀を水に置き換えれば、約10メートル以上には上がりません。つまり、10メートル以上の長さのストローでは飲み物は飲めないということになります。
一方で、世界には高さ数十メートルの高木がたくさんありますが、どのようにして地面から枝先まで水を吸い上げているかは正確には解明されていません。将来、このメカニズムがわかれば、高層マンションの屋上まで電気を使わずに水を届けられる、エコロジーな給水システムが誕生するかもしれませんね。
材料
2人分
- フルーツ
- 200g
(リンゴ、マスカット、ブドウ、キウイ、オレンジ、イチゴなどお好みで)
- はちみつ
- 40g
- バゲット
- 1/2本
- マスカルポーネチーズ
- 60g
- ハーブ
- お好みで
つくり方
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フルーツをカットします。リンゴ、キウイ、オレンジ、バナナは薄切りに、イチゴは2等分にします。
調理時間を短縮するためにフルーツを薄切りしていますが、真空調理は味が中までよく染みるため、フルーツを切らず丸ごと調理することも可能です。
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真空パックに①でカットしたフルーツとはちみつを入れます。
空気が漏れないようにしっかりとチャックを閉めて密閉し、真空ポンプで袋の中の空気を抜きます。 -
鍋で湯を沸かして火を止めます。
②を真空パックごと鍋に入れふたをします。この時、袋の中に水が入るのを防ぐため、空気口に水がかぶらないようにして入れます。この状態で30分待ちます。真空パックに入れて低温調理をするので、真空パックに入れずにつくるコンポートよりも、食材が崩れずやわらかな食感に仕上がります。
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30分たったら、真空パックからフルーツを取り出します。2cm厚にスライスしたバゲットにマスカルポーネチーズを広げます。その上にフルーツを並べ、ハーブをお好みで飾ります。
真空パックのまま、冷蔵庫で2〜3日の保存も可能です。
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注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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