ベイクドアラスカ雪山ケーキ(No.22 断熱)
- 調理時間20分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
温冷スイーツを発見したのは物理学者!?
メレンゲを包む青い炎がまるでアラスカのオーロラのようであることから名付けられたとされるベイクドアラスカは、一説によると、熱力学の研究で知られる物理学者のベンジャミン・トンプソン(ランフォード伯爵)が発案者だともいわれています。卵白を泡立ててメレンゲにすると、空気をたっぷり含んだ泡構造になります。そうすることで断熱効果が高まり、表面を焼いても中のアイスクリームが溶けることなく温度差を楽しめるスイーツができるのです。
Science point
冬の美しい月夜が冷え込むのはなぜか
空気をたっぷり抱き込むことができるダウンジャケットを着ると、体温で温まった空気を逃がさず外の冷気を断熱できるので、暖かいですよね。乾燥した空気はトップクラスの断熱材なのです。今回は、この熱エネルギーを伝えない断熱効果に対して、電磁波エネルギーを伝えない遮蔽効果について紹介しましょう。
地球は、昼間に太陽から放射された電磁波エネルギーを受け取っています。電磁波は、地表に当たると熱に変わって地表の温度が高くなります。すると、温まった地表が電磁波の一種である赤外線を発するようになり、絶えず宇宙空間に放射します。そして夜になると太陽が沈み、地球からの放射の方が多くなって気温が下がります。ところが、空が雲で覆われると、宇宙空間に放射されるはずのエネルギーが遮られて大気は冷えにくくなります。これが遮蔽効果です。
反対に、晴れた冬の夜は雲で遮られることなく、エネルギーが宇宙空間に放射されるため、とても冷え込みます。天気予報でも耳にする放射冷却です。雲の少ない砂漠の夜が冷え込むのも同じ理由です。気温が下がると湿度が低くなり、空気が澄んでお月さまがきれいに見えるのです。
また、雲だけでなく大気中の二酸化炭素やエアロゾルの濃度も遮蔽効果をもたらし、地球温暖化や寒冷化の要因になるとされています。
材料
2人分
- バニラアイスクリーム
- 100g
- ベリーミックス(冷凍)
- 40g
- チョコスポンジ
- 1個
- 卵白
- 1個分
- グラニュー糖
- 40g
- イチゴ(飾り)
- 2粒
つくり方
- ・チョコスポンジを直径6cmの型でくりぬいておきます。
下準備
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ボウルにアイスクリームとベリーミックスを入れてスプーンで混ぜ合わせます。直径6cmのアイスクリームディッシャーですくって半円をつくり、そのまま冷凍庫で冷やしておきます。
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ボウルに卵白を入れてハンドミキサーで泡立てます。卵白が白っぽくなったらグラニュー糖を3回に分けて加え、メレンゲをつくります。ツノがしっかり立ち、ひっくり返しても落ちないくらいの固さにします。
卵白が砂糖を一度に吸収できないため、一度に全てを加えてしまうとしっかりと泡立たないことがあります。砂糖を3回に分けて加えることで、きめの細かいメレンゲに仕上がります。
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チョコスポンジの上に①で冷やしておいたアイスクリームを乗せて、スキレットに置きます。
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③を覆うように、メレンゲをスプーンの背で隙間なく塗り広げます。
泡立てたメレンゲは熱を伝えにくいため、メレンゲを隙間なく塗り広げることで、オーブントースターの熱がアイスクリームまで届きにくくなります。
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オーブントースター(200℃)で3〜4分加熱します。表面がきつね色になったら取り出します。
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イチゴを添えます。
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注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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