なないろ屈折ゼリー(No.20 光の屈折)
- 調理時間45分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
ぎゅっと押して虹をつくろう!
透明なゼリーを偏光板の上に置いて、下から光を当てます。スプーンなどでゼリーに力を加えて変形させ、偏光レンズを通して眺めると、肉眼では確認できない虹色の模様が見えます。
この偏光板は身近なものでも代用できます。例えば、偏光フィルムが貼ってあるパソコンのディスプレーや偏光サングラスなどを使っても同じ現象が見られます。
Science point
虹はどこからやってくる?
透明なゼリーを押したり曲げたりして、偏光板を通して見ると、虹色が出現しました。このフシギで美しい現象は、光・偏光板・ゼリーそれぞれの性質が見事に組み合わさることによって生じます。
私たちが日常で目にする太陽や電球の光は「いろいろな方向に振動する光」と「いろいろな波長の光」が混ざっています。人間の目ではこの混ざった光から一方向に振動する光(偏光)を識別することはできません。この偏光を取り出せるものが偏光板です。片方を90度回転させた2枚の偏光板を使用すると、平行方向と垂直方向の偏光をそれぞれ取り出せます。この2枚の間にゼリーを置き、押したり曲げたりして力を加えると、透明なはずのゼリーに虹色が浮かび上がります。これは偏光板を通して入射された偏光がゼリーのゆがみの度合いに応じて、いろいろな向きや動きに変化しながらゼリーの中を伝わり、入射時と異なる偏光となって透過するからです。さらに、加わる力の大きさによって波長(色)が異なり、これらが干渉しあうことで虹色が生まれます。
ところで虹を7色と決めたのは、アイザック・ニュートンだといわれています。当時、ヨーロッパでは音楽が自然科学と結び付いていると考える研究者が多くいました。ニュートンもその潮流に従い、音階がド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7音を基本とすることから虹を7色に決めたのです。
材料
2人分
- 水
- 200g
- アガー
- 15g
- 梅シロップ(市販)
- 20g
つくり方
- ・容器(8cm×8cm程度)を水にくぐらせておきます。
下準備
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鍋に水を入れて中火にかけます。アガーを振り入れながら、泡立て器で優しく混ぜ溶かします。一煮立ちしたら火を止めます。
ゼラチンや寒天ではなく、透明度が高いゼリーをつくれるアガーを使用することで、美しい虹色を観察できます。
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①を容器に流し入れて、冷蔵庫で約30分冷やし固めます。
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②の容器からゼリーを取り出し、ナイフで好みの形に切ります。
食べる前に、偏光板を通して虹色に見えるゼリーを観察してみましょう。観察方法はこちら
ゼリーを直接偏光板に置く場合はラップを使いましょう。 -
梅シロップなどのシロップや蜜をかけます。
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注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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