レオナルド・ダ・ビンチの橋プレッツェル(No.19 摩擦)
- 調理時間40分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
橋をつくるのに必要なのは摩擦だけ!
芸術家であり、科学や建築、工学などでも名を馳せたレオナルド・ダ・ビンチ。彼が考案したとされているのが、部材を組み合わせるだけで完成する丈夫な橋です。釘や接着剤を使わなくても、摩擦と重力の絶妙なバランスによって見事にブリッジ構造を保つことができるのです。プレッツェル15本でチャレンジしてみて。
Science point
分子が摩擦をゼロにする!?
摩擦は、私たちの生活に欠かせない存在です。字を書いたり、歩いたり、私たちは日常のさまざまな場面で無意識のうちに摩擦の恩恵を受けています。この摩擦という現象を初めて科学の対象として取り扱った人物こそがダ・ビンチだといわれています。ベアリングもその一つです。モノが回転するときに生じる摩擦をゼロに近付けることができるベアリングは、自動車や電車、家電製品などに欠かせない部品です。
最先端のトライボロジー(摩擦学)研究成果の一つが「超潤滑」といって、摩擦を完全にゼロにする技術です。鉛筆の芯の素材である黒鉛(グラファイト)は、炭素原子がハニカム構造で並んだシートが層状に積み重なった物質です。シート間には摩擦があり、ある程度以上の力を加えなければ動きません。ところが、炭素原子がサッカーボール状につながったフラーレン分子を複数入れると、これがベアリングの役割を果たして摩擦を軽減し、シートがすべりやすくなります。このような「分子ベアリング」により開発されたコーティング剤を機械に塗布すれば、「超潤滑」が可能になります。その結果、摩擦による消耗がなくなり、効率的に動くことによって、機械性能の向上や省エネルギーにもつながると期待できる、ミクロの世界で摩擦を制御する注目の技術なのです。
最後に、歴史に残る最初のトライボロジスト(トライボロジーを行う人)を紹介しましょう。古代エジプトに建設された「ティの墓」の壁画(紀元前2400年頃)に、巨大な像を載せたそりを運ぶとき、地面に液体を注いでいる人物が描かれています。これは、そりと地面の間の摩擦を低減させるために工夫している様子ではないかとみられ、この人物こそが「歴史に残る最初のトライボロジスト」といわれています。人類が古代から摩擦に悩み、工夫し、困難を克服してきたことがよくわかります。
材料
50本分
- 薄力粉
- 45g
- コーンスターチ
- 45g
- フランボワーズパウダー
- 9g
- バター(食塩不使用)
- 50g
- 牛乳
- 60g
- フランボワーズジャム
- 少々
つくり方
- ・バターはさいの目切りにして冷蔵庫で冷やします。
- ・絞り袋に丸口金(4mm)をセットします。
- ・オーブンを170℃に予熱します。天板にオーブン用シートを敷きます。
下準備
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ボウルに薄力粉とコーンスターチ、フランボワーズパウダー、バターを入れ、ゴムベラで切るように混ぜます。バターが細かくなったら、手ですり合わせるように混ぜ、サラサラの粉状にします。
手の体温でバターが溶けないように素早く行いましょう。
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牛乳を加えて泡立て器で混ぜます。なめらかな生地になったら絞り袋に入れます。
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1cm以上の間隔を空けて、オーブン用シートを敷いた天板に生地を12cmの長さに絞り出します。
絞り袋の上部を空気が入らないようにねじり、あまり力を入れすぎずに少し上から落とすように、定規に沿って絞り出すことで、まっすぐ均一な長さに仕上げることができます。
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165℃のオーブンで13分焼きます。庫内から取り出し、そのまま粗熱をとります。
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レオナルド・ダ・ビンチの橋を組み立てます。
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フランボワーズジャムを添えます。
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注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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