ちょっとかためが懐かしい レトロプリンタワー(No.18 タンパク質の熱変性)
- 調理時間1時間40分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
あなたは、かため派?やわらかめ派?
材料である卵の量によって、プリンのかたさは自在に変えることができます。卵を増やすと、かためのレトロプリンに、反対に減らすと、やわらかいプリンに仕上がります。その秘密は卵に含まれているタンパク質が関係しています。卵の量を変えて、好きな食感を見つけてみましょう。
Science point
ゆで卵が生卵に戻る日がやってきた
生卵を加熱すると、かたまります。あまりにも身近な現象なので見逃してしまいそうになりますが、これは熱変性というフシギな現象なのです。生卵を構成するタンパク質は、折り畳まれた毛玉のような立体構造をしています。このとき疎水性部分は毛玉の内側に折り畳まれており、タンパク質は親水性となるため生卵は液体です。ところが熱を加えると、立体構造を保っていた弱い結合が熱によって切断され、タンパク質は伸びて絡み合います。この現象を熱変性といいます。毛玉の内側にあった疎水性の部分が露出して水を弾くため、タンパク質同士がくっつき合いかたまります。
ゆで卵を生卵に戻すことができないように、タンパク質の熱変性は不可逆的な反応だと思われてきました。ところが最近、熱変性して凝集した卵白のタンパク質を、生卵のときの構造に戻す研究結果が発表されています。まさに「覆水を盆に返す」新技術と言えるでしょう。
タンパク質の構造は多種多様であり、生体内のさまざまな反応に関係しています。例えば、アルツハイマー病など神経系の病気はタンパク質の立体構造の変化が原因ではないかとされているため、その構造変化を制御できれば治療や薬の開発につながると期待されています。
材料
11cm×14cm×4.5cmの型2個分
- 牛乳
- 200g
- グラニュー糖
- 30g
- バニラエッセンス
- 3滴
- 卵
- 4個(やわらかめ用1個、かため用 3個)
(カラメルソース)
- グラニュー糖
- 50g
- 水
- 10g
- お湯
- 10g
(デコレーション)
- サクランボ
- 2個
つくり方
- ・オーブンを150℃に予熱します。
下準備
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<カラメルソースをつくる>
鍋にグラニュー糖と水を入れて弱火にかけます。きつね色に色づき始めたら、鍋を回して色を均一にして、火を止めます。約60℃の湯を一気に注ぎ、そのまま2つの型に等分して流し入れます。【やけど注意】
お湯を注ぐとカラメルが跳ねやすいため、素早く注いで鍋から距離を取るなどして、やけどしないように注意してください。また、鍋の周囲を片付けておくことをおすすめします。 -
<プリンをつくる>
鍋に牛乳とグラニュー糖を入れて弱火にかけ、沸騰する直前に火を止めます。かたさの異なるプリンをつくるため、ボウルに2等分し粗熱をとります。 -
片方のボウルに、溶き卵1個を加え、泡立て器で混ぜ合わせます。もう一つのボウルには卵3個を同様に混ぜ合わせます。
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③にバニラエッセンスを加えて、こし器でこしながら、それぞれ型に流し入れ、アルミホイルでふたをします。
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④を天板に並べて、型の高さ1/3までお湯(分量外)を注ぎます。予熱しておいた150℃のオーブンで30分蒸し焼きにします。
卵1個を加えたものはやわらかく、卵3個を加えたものはかために仕上がります。
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オーブンから取り出して、粗熱を取ってから冷蔵庫で約50分冷やします。
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型から取り出して好みの大きさに切り、器にのせてサクランボを飾ります。
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注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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