バブルキャンディー(No.14 バブルとフォーム)
- 調理時間30分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
キラキラ泡に、膨らむ瞬間を閉じ込めて☆
本来、泡はすぐに弾けて消えてしまうものですが、今回作ったバブルキャンディーが泡の状態を保ったまま固まっているのはなぜでしょうか?
その理由は材料であるコーンシロップの「粘度」にあります。粘度の高いコーンシロップには泡の状態を維持する力があるので、沸騰してできた泡が消える前に冷めて固まり、つやつや輝くバブルキャンディーができあがったのです。一方、サラッとした砂糖水でつくった場合は、いくら加熱しても焦げてしまうだけで、発生した泡が弾けてしまい、大きな泡に育ちません。
膨らむ瞬間を閉じ込めたキャンディー。貴重な甘いきらめきをお楽しみください♪
Science point
弾けるバブル、重なるフォーム
最近のシャンプーやボディソープの泡は肌触りがとても良くフワフワです。しかし、泡を制御することは実は簡単ではありません。ただの水と空気は混ざらないため、水を泡立てても気泡が水面に達するとすぐに割れてしまいます。そこで界面活性剤を添加することによって水と空気の界面を安定化させて、泡の状態を維持するのです。大学や企業では用途に応じた泡立ちや泡持ち、泡切れなどの研究が日々進められているのです。
泡の英訳にはバブル(bubble:気泡)とフォーム(foam:泡沫)の2種類があるのですが、この差をご存じでしょうか? 例えばビールを注いだ時にコップの底から湧き上がる二酸化炭素の泡はバブル、表面を覆うクリーミーな泡がフォームです。同じ泡のある飲料としてシャンパンがありますが、なぜシャンパンの気泡は表面で消えてしまうのに、ビールの気泡はすぐ消えずに集まり泡沫ができるのでしょうか?その理由は、ビールの原料ホップに由来する苦味成分「イソフムロン」にあります。コップの底から上がってきた気泡をイソフムロンが包み込み、タンパク質との複合作用で界面が安定し泡は割れにくくなります。また、ビールはシャンパンより二酸化炭素が少ないため気泡が成長しにくく、表面に細かい泡がたくさん集まります。一方、シャンパンは気泡が上昇中に急激に大きくなる上に、イソフムロンのような界面活性物質がビールよりも少ないため、表面で気泡が割れてしまい、ビールのような泡沫ができないのです。
同じ泡でも動きや成り立ちが異なるので、よく観察してみると新たな発見があるかもしれません。
材料
約20個分
- コーンシロップ
- 80g
- 着色料(赤、青、黄色)
- ごく少量
つくり方
- ・オーブンを160℃に予熱しておきます。天板にオーブン用シートを敷きます。
下準備
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コーンシロップを4つの容器に等分します。1つはそのまま、残りの3つには楊枝の先に着色料をつけて、それぞれピンク、ブルー、黄色に着色します。
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天板に①を4cm直径程度の円になるようスプーンで広げます。
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160℃のオーブンで10分程度焼きます。(オーブントースターの場合は170℃で10分)
オーブンをのぞいて見ると、最初は小さな泡がプクプクと現れ、徐々にその泡が大きくなり、動きもゆっくりになってきます。途中で熱するのを中断してしまうと泡が潰れてしまうため、大きな泡ができるまでじっくり待ちましょう。
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庫内でそのまま30分ほど置き、庫内の温度が40℃程度(室温と同じくらい)になったら取り出します。
【注意】
できたてのバブルキャンディーはとても高温です。やけどに注意して、しっかり粗熱を取ってから触れるようにしてください。 -
注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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