Dance! Dance! アイスクリーム(No.13 凝固点降下)
- 調理時間1種15分
監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社
心躍るステップでアイスも踊り出す♪
通常なら冷凍庫で数時間以上冷やし固めてつくるアイスクリーム。塩をかけた氷と一緒に、たった3分シェイクするだけで簡単につくることができます。
氷に塩を加えると家庭の冷凍庫と同程度の低温になります。さらに、気体より液体の方が素早く熱を奪うため、氷水で冷やすとすぐにアイスクリームができるのです。また、シェイクして材料を踊らせるほど空気が混ざるため、柔らかな口当たりのアイスクリームに仕上がるという、おいしい効果もあります。
Science point
アンバランスがつくる氷点下の世界
なぜ冷凍庫を使わずに、塩と氷でアイスクリームができたのでしょうか。その秘密は二つの“溶ける現象”にあります。一つは氷が溶けて水になる「融解」、もう一つは固体の塩が氷水に溶け込む「溶解」です。周囲から熱を奪う現象の相乗効果により、アイスクリームは早く冷やされたのです。そして、ご存じの通り、塩水は真水より凝固点が低く、例えば氷と塩の比率が3対1の場合、凝固点はマイナス21℃まで降下します。真水では、水分子が固体から液体に融解する吸熱反応と、液体から固体に凝固する放熱反応が0℃でバランスよく釣り合っていますが塩水になると、塩化ナトリウムが水分子の凝固を阻害することでバランスを崩し、吸熱がどんどん進んで凝固点降下が生じるのです。
ところで、氷で覆われる寒冷地に暮らす魚や昆虫、キノコなどは、なぜ凍らずに生きられるのでしょう。これらの生物からは凝固点降下を起こす「不凍タンパク質(AFP)」が発見されていて、組織の凍結を防いでいると考えられています。生体内でのAFPのメカニズムは完全に解明されたわけではあリませんが、水が凍る直前に発生する小さな氷にAFPが瞬時に結合することで、凍結や氷結晶の成長を防ぐと考えられています。AFPの応用分野は広く、例えば医療分野では、細胞を凍らせず低温下で長期保存したり、冷凍食品に添加すれば保存中に氷結晶が大きく成長して品質が低下するのを防いだりできると期待されています。
室温で溶けない不思議な氷
日本の飯島澄男博士によって発見された新物質であるカーボンナノチューブは炭素原子のみからなる直径がナノメートル(10億分の1メートル)程度の極細のストロー状物質です。この極細ストローの中に水分子を挿入すると、水分子が特殊な水素結合ネットワークを形成し、27℃においても溶けずに氷として存在することが発見されました。水は私たちにとって身近でありながら不思議な物質の一つであり、最先端科学の舞台です。
材料
1種につき直径5cmのディッシャー2個分
<バニラアイスクリーム>
- 豆乳クリーム
- 50g
- 豆乳
- 50g
- グラニュー糖
- 15g
- オリーブオイル
- 15g
<チョコレートアイスクリーム>
- 豆乳クリーム
- 50g
- 豆乳
- 50g
- チョコレートソース(市販)
- 10g
- チョコチップビスケット(市販)
- 1枚
<チェリーアイスクリーム>
- ヨーグルト(無糖)
- 100g
- 紫さくらんぼ(缶詰)
- 30g
- 氷
- 300g
- 塩
- 30g
つくり方
- ・大きなチャック付きポリ袋に氷と塩を入れておきます。
- ・チョコチップビスケットは食べやすい大きさに砕き、紫さくらんぼは細かく刻みます。
下準備
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小さなチャック付きポリ袋に、バニラアイスクリームの材料を全て入れてしっかり封をします。
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①を袋ごと氷と塩が入った大きなチャック付きポリ袋に入れて封をします。
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②をフェイスタオルで包んで3分ほど振ります。
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振り終わったらアイスクリームの材料が入ったチャック付きポリ袋を開け、スプーンやアイスクリームディッシャーで器に盛り付けます。チョコレートやチェリーのアイスクリームも同様にしてつくります。
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注意事項
- 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
- 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
- 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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