監修:空想科学研究所 柳田理科雄
企画制作: NGK株式会社
歴史上の偉人が教科書から
飛びだして教壇に立つ
近年、特定の人物が残した著作や発言など、膨大な文献データをAIに学習させ、その考え方や表現手法を再現しようとする技術が注目を集めている。
もしも、歴史上の偉人のスキルを学習した“AIコーチ”が、教室に現れたなら──。
たとえば美術の授業では、17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメールのAIコーチが、生徒の一人ひとりに合わせて、絵の描き方を教えてくれる。やわらかな光や、真珠の輝きはどう表現するのか。名作を鑑賞するだけでなく、その奥にある技法やものの見方まで、対話を通じて学んでいく。
すでに一部の教育現場では、人と自然な会話を交わすことができる英会話学習用のAIロボットも使われ始めている。
しかし、絵画を教えるには、生徒の言葉だけでなく、制作途中の絵や筆の使い方、生徒の表情などを継続的に捉え、どこにつまずき、何を表現しようとしているのかを見極め、その生徒に合った助言をしなければならない。現在のAIは、会話や映像を組み合わせて分析することはできても、授業の中で刻々と変化する複数の情報を長時間にわたって追い、相互に関連づけることはまだ難しい。こうした長い時間軸で変化する複雑な状況を理解する精度が高まれば、AIコーチは実現に近づくだろう。
偉人たちが残した知恵や技能を、教科書で読むだけでなく、対話しながら夢中になって学ぶ。
そんな授業が、未来の教室では当たり前になるかもしれない。
サイエンスコラム
AIの進化を支える新戦略
「チップレット集積」
AIの高度化に伴って必要な計算能力はますます増大しています。こうした要求に応えるため、半導体の製造は今、大きな転換点を迎えています
これまで半導体は、回路をより細かく構築する「微細化」によって性能を高めてきました。しかし、微細化が進むほど、製造の難易度が高くなります。また、多くの機能を一つの大きな半導体チップにまとめると、製造時に不良品になる率も高まるという課題もあります。
この課題を解決する技術の一つとして注目されているのが「チップレット集積」です。CPUやGPU、メモリ、センサーなど、機能ごとの小さなチップをつくったあと、パズルのように組み合わせる方式です。不良品の率を下げて、製造コストを下げられるだけでなく、目的に応じて必要な箇所に最新チップを使うといった柔軟な設計も可能になります。
チップレット集積は、半導体の設計自由度と製造効率を高め、AIなどに使われる高性能半導体の製造を支える有力なアプローチとして期待されています。
サイエンスコラム
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