試してフシギ

力のつり合い魚形センサーで宝探し(No.263)

魚形センサーで宝探し 魚形センサーで宝探し

実験監修:教育学博士 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

磁力は紙もガラスも通り抜け、他の物質にさえぎられない

そうなんだ!

実験で作った魚形センサーは、紙・ガラス・水・プラスチックを間にはさんでも磁力がはたらき、作動しました。磁力には、ほとんどの物質を通り抜けてはたらくという性質があり、実際の磁気センサーに利用されています。光センサーなどの他のセンサーは、さえぎる物や汚れによって感度が低下したり、誤作動を起こしたりする弱点があります。しかし、磁気センサーにはその心配がないので、家電製品の開閉やモーターの回転速度の検知などに幅広く使われています。 何でも通り抜けて無敵に見える磁力にも、苦手なものがあります。鉄などの磁気を帯びやすい一部の金属です。鉄などは磁石から出る磁力線を吸収してしまうので、磁力がほぼ遮断されます。実際に磁石を輸送するときには、鉄でできた箱の中に入れて梱包し、安全に配慮しているそうです。

①魚形タレビン 1個
②透明なコップ 1個
③ネオジム磁石 2個 (直径5mm、 厚さ2~3mm程度のもの)
④地図を描いた紙
⑤地図と同じ大きさのスチレンボード ※段ボールでも代用できます。
・セロハンテープ
・カッターナイフ
・水

実験で使用した材料の詳細

・魚形タレビン 大創産業 タレビン小 魚3ml
・コップ 東洋佐々木ガラス SGタンブラー SG-12103
・ネオジム磁石 大創産業 超強力マグネットミニ 8コ入
・スチレンボード 大創産業 COLOR BOARD White(450mm×300mm×5mm)

〈ビジュアル用〉
・コンパス Amazon 1.75 "クラシックポケットアンティークスタイルキャンプ真鍮コンパス

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    スチレンボードに穴を空け、ネオジム磁石1個を埋め込みます。
    さらに、地図を描いた紙を貼り付けます。

  • 2

    タレビンの側面にカッターナイフで長さ1cm程度の切れ目を入れます。

  • 3

    ②の切れ目からネオジム磁石を押し込みます。

  • 4

    タレビンに半分程度水を入れ、水を入れたコップの中で軽く押さえて空気を押し出し、ぎりぎり浮くように調節します。

  • 5

    タレビンの先端が底から約4cmになるように水量を調整します。

  • 6

    地図の上にコップを置き、移動させながらタレビンの動きを観察します。

実験を成功させるコツとヒント

・浮力が強すぎると磁石に反応しにくくなります。タレビンの空気量を調節して、ぎりぎり浮いている状態にしてください。
・手順通りにしても魚形センサーが反応しないときは、コップの水を少しずつ減らして様子を見てください。
・鉄製の机や台の上では正しく反応しません。他の材質の上で実験してください。

リンゴはなぜ木から落ちて、空の雲はなぜ落ちないの?

今回の実験では重力、浮力、磁力の3つの力のつり合いを考えました。力がつり合っていると、一見どんな力も存在してないように見えますが、実際はさまざまな力がはたらいています。たとえば、机の上に置かれたリンゴは、地球が下向きに引っぱる重力と、机が上向きに押し返す力(垂直抗力)のつり合いがとれた状態です。机が無いと垂直抗力が存在しないので、リンゴは落下します。空に浮かぶ雲は、小さな水滴や氷の粒が集まったものです。雲の粒は重力によって下向きに引っぱられますが、上昇気流や空気抵抗による上向きの力がはたらき、つり合いがとれた状態になるので落ちてきません。ただし、雲の粒がくっついて大きくなり、重力が大きくはたらくようになると雨や雪として落下します。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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