試してフシギ

空気の質量かたまりの空気は超パワフル(No.257)

かたまりの空気は超パワフル かたまりの空気は超パワフル

実験監修:教育学博士 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

空気を詰めた大きなポリ袋をぶつけると、驚くほどの衝撃が実感できます。

そうなんだ!

私たちは空気に囲まれて生活しているのに、普段その存在を意識することはほとんどありません。
そのため、空気には重さ(質量)がないかのように感じるかもしれませんが、空気も物質なのでもちろん質量があります。空気をかたまりにしてぶつけることで、空気の重さを実感してみましょう。
ごみ袋に使う90cm×100cmのポリ袋に空気をいっぱいに入れ、たるみがないように口を閉じて勢いよく投げると、水の入った大きなペットボトルを何本もなぎ倒します。
ぶつけたのは薄いポリ袋と空気だけなので不思議に思えますが、1Lあたりの空気の質量を約1.2gとして計算すると、ポリ袋の中にはおよそ200gの空気が入っているのです。
これはソフトボールの質量より大きく、勢いよくぶつかると、かなりの衝撃になります。
さらに、このポリ袋を4枚つなぎ合わせて巨大な空気袋にすると、いすを倒すことも可能です。
これからは、「空気のような存在」とは言えませんね。

①90L用ポリ袋 1枚
②幅の広いセロハンテープ(幅18mm以上)
③ドライヤー
④水の入ったペットボトル(2L)3~4本

実験で使用した材料の詳細

・ポリ袋 ポリスタジアム ゴミ袋 90L 青HDPE素材
・セロハンテープ アスクル 貼ってキレイなクリアテープ 幅18mm×35m
・ドライヤー 泉精器製作所 IZUMI Allure マイナスイオンドライヤー DR-RM77-W ホワイト
・ペットボトル サントリー 天然水 2L

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    ポリ袋の口を約12cm残してセロハンテープで閉じます。

  • 2

    ポリ袋の開いている部分からドライヤーで冷風を送り、ふくらませます。
    ※必ず冷風を使い、袋がいっぱいになったら直ちにスイッチを切ってください。

  • 3

    空気をもらさないように、開口部を結んで閉じます。
    袋がたるんでいるようなら、角をもう一カ所結んでピンと張った状態にします。

  • 4

    水を入れたペットボトルなどに空気袋をぶつけて衝撃力を確かめます。

体育館などの広い場所でできる場合は、ポリ袋4枚でも試してみましょう

①ポリ袋を4枚準備し、それぞれの側方1辺を切り、図のようにセロハンテープでつなぎ合わせます。
②底の一端を約12cm切り取って穴を開けます。
③上記の②、③と同様にして大きな空気袋を作り、体育館などの広い場所で実験しましょう。

実験を成功させるコツとヒント

・ポリ袋がたるんでいると衝撃が吸収されて、十分に力が伝わりません。最初から空気をいっぱいに入れるよりも、ポリ袋をおおよそふくらませた後で袋の角をしばると、たるみができにくくなります。
・ポリ袋を投げるときは、最初はゆっくり動かし、手を放す直前に力を加えると勢いがつきます。

学校の教室や家の部屋の空気はどれくらいの重さでしょう?

空気の質量を意識すると、身近な空間の空気の重さを知りたいと思いませんか。四角い部屋の場合は、寸法がわかれば簡単に計算することができます。たとえば、幅7m×奥行き9m×高さ3mの教室の場合、容積は189立方メートルとなり、1立方メートル(=1000L)あたり約1.2kgの空気の質量をかけると、約227kgになります。一般的なマンションの6畳の部屋なら、およそ28kgくらいです。普段暮らしている空間にそれだけの空気があると考えると、ちょっと驚きですね。東京ドームの容積は124万立方メートルなので、その中の空気の重さは何と1488トンにもなります。

空気の質量は一定ではなく、条件によって変化します

空気のような気体は、温度や圧力によって密度が大きく変動するので、同じ体積あたりの質量は一定ではありません。たとえば、温度が高いと密度は低く、温度が低いと密度は高くなります。つまり、熱い空気は軽く、冷たい空気は重いのです。また、一般的な空気には水蒸気が混じっており、その割合(湿度)によっても質量は変化します。
空気の質量が一定でなければ、それを基にした計算や比較が成り立ちません。そこで、物理学や工学などの分野では、いくつかの基準となる空気の状態を決めています。空間の空気の重さを計算するときに使用した1立方メートルあたり約1.2kgという値は、温度20℃、1気圧、湿度65%の状態の空気(標準空気)の質量です。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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