試してフシギ

シュリーレン現象もやもやの正体を探れ!(No.246)

もやもやの正体を探れ! もやもやの正体を探れ!

実験監修:教育学博士 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

水中の食品に光を当てると、もやもやした影が見えます

そうなんだ!

お菓子のグミを水中につるし、LEDの光を当ててスクリーンに影を映すと、グミから何かもやもやしたものが流れ出しているように見えます。実物を見ても透明なのであまりはっきりしませんが、スクリーンに投影するとよくわかります。このもやもやは、いったい何でしょう?
甘いお菓子には砂糖などの糖分が多く含まれています。もやもやの正体は、グミの糖分が溶け出したものです。水に溶けた糖分は透明ですが、真水の部分とは密度が違うので光の進路が変化します。先月号の蜃気楼の実験と同じ原理です。グミから溶け出した糖分は場所によって濃度が様々に異なっているので、そこを通る光の進路が不規則に変化します。そのため、スクリーンに映った影がもやもやして見えたのです。水や空気のような透明な物質の中で、部分的な密度の違いによって光が屈折し、もやもやが見えることをシュリーレン現象といいます。
シュリーレン現象は透明な物質の中で起こるので、直接観察しにくい現象です。そこで、くっきりした影ができやすい点光源のLEDを使い、スクリーンに拡大して投影する方法をとりました。水に物質が溶け出す様子が手軽に観察できるので、いろいろなもので試してみましょう。

①A4の白い厚紙
②透明プラスチック容器
③糖分や塩分を含む食品(グミや梅干しなど)
④つまようじ 1本
⑤LED 1個
⑥3Vコイン型電池 1個
・定規
・カッターナイフ
・セロハンテープ
・水

実験で使用した材料の詳細

・透明プラスチック容器 無印良品 アクリル小物収納1段 CUBBY BOX
・グミ カンロ ピュレグミ
・つまようじ WATARU TRADING お徳用つま楊枝(65mm 約620本入り)
・LED LED PARADISEエルパラ 5mm青色LED
・コイン電池 三菱リチウム電池 CR2016
(動画用)
・透明プラスチック容器 大創産業 SKキッチンポット スリム ホワイト
・梅干し トノハタ スターセレクト しそ漬 塩分10%
・マスカット シャインマスカット

※実験材料の一例です。準備する際の参考にしてください。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    厚紙を図のように切って、スタンド式スクリーンを作ります。

  • 2

    透明なプラスチック容器に水を入れ、スクリーンの前に置きます。

  • 3

    小さく切ったグミなどの実験材料をつまようじの先に刺し、材料が水につかるようにセロハンテープで容器に固定します。

  • 4

    部屋を薄暗くし、LEDで照らしてスクリーンに投影します。
    ※影がはっきり映るようにLEDの位置を  調節してください。

実験を成功させるコツとヒント

・グミに粉が付いている場合は、水の濁りを防ぐために粉を払い落としてから実験してください。
・LEDは何色でもかまいません。単球式のLEDライトでも実験できますが、レンズや反射板の形状によっては影が鮮明に出ない場合があります。

シュリーレン現象を利用して見えないものを見る

身近なところでは、暑い日のかげろうや氷を入れた透明な飲み物でも見られるシュリーレン現象。実は科学や産業の最先端で大活躍しています。空気や水のように透明な物質の動きは、そのままでは見ることができません。そんなときに活躍するのが、シュリーレン法という光学技法です。透明な気体や液体であっても、力や熱が加わると密度の違う部分が発生し、シュリーレン現象で光の進路が変化します。そのわずかな変化を特殊な撮影装置ではっきりと映し出すのがシュリーレン法です。シュリーレン法を使うと、航空機の周囲の気流やエンジン内部のガスの燃焼など、極めて高速な現象や高温の環境でも観測できるので、様々な分野の研究や開発に使われています。

意外な人物が考案したシュリーレン法

見えないものの動きを観察できるシュリーレン法は、空気や水などの流体の研究に大きく貢献しました。しかし、元々は19世紀のフランスで活躍した物理学者のレオン・フーコーが、反射望遠鏡に使う凹面鏡の精度を調べるために考案したものです。フーコーは、地球の自転を証明した「フーコーの振り子」の発明や、金属に生じる「うず電流」の発見、光速度の測定でも有名です。
シュリーレン法が開発される以前には、衝撃波の観察などに「シャドウグラフ」という技法が使われていました。空中で火花放電を起こし、その光でシュリーレン現象の影をスクリーンに投影するものです。実験で行ったのとほとんど同じ方法ですね。シュリーレン法と比べると精度が下がりますが、簡単な装置できるので、現代でも簡易観察法として利用されています。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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