試してフシギ

室内で蜃気楼 発生中!(No.245)

室内で蜃気楼 発生中! 室内で蜃気楼 発生中!

実験監修:教育学博士 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

キリンが縮んだ! 水槽の向こうがゆがんで見えるのはなぜ?

そうなんだ!

水槽の向こうに置いたキリンの絵が、不思議な見え方をしています。上の方はほとんど変化していないのに、下の方は極端に縮んで見えます。まるで、砂漠に現れる蜃気楼のようですね。原因は、水槽の水にあります。水槽の底に食塩を入れ、静かに置いて自然に溶けるようにしました。しばらくすると、水槽の上部は薄く、下部に向かうほど濃い食塩水ができました。このように、密度の変化する液体中では、光はまっすぐに進まず曲がります。この水槽の場合、観察者の斜め下から来る光は大きく曲がり、上部を通る光はほぼまっすぐに進みます(図)。そのため、キリンの下の方だけが縮んで見えたのです。同様の現象は空気中でも起こります。上下の温度差によって空気の密度が変化する場所では、光が曲がって進みます。これが本来の蜃気楼で、地面にあるものが空中に浮かんで見えたり、見えないはずの遠くの景色が見えたりすることがあります。

実験で使用した材料の詳細

・四角い透明容器 SAWADA PLATEC アクリルBOX 150角
・食塩 ローソン 瀬戸内の塩(さらさらタイプ)
・綿棒 大創産業 紙じく抗菌綿棒

(動画用)
・モデル人形 ラジカルアート ラジカル モデル人形 SS
・透明な水槽 無印良品 アクリル小物収納1段 CUBBY BOX
※実験材料の一例です。準備する際の参考にしてください。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

工作・実験の手順

  • 1

    水を入れた水槽に、食塩を静かに入れます。
    ※底に1cm程度たまるまでまんべんなく入れてください。

  • 2

    6時間以上静かに置いて食塩を自然に溶かし、下部ほど塩分濃度の濃い状態をつくります。

  • 3

    綿棒で容器の側面についた気泡を静かに取ります。
    ※なるべく水をかき混ぜないでください。

  • 4

    水槽の向こうに小物や絵を置き、どのように見えるか観察します。目の位置や見る角度によって、見え方がどう変わるかも調べましょう。

実験を成功させるコツとヒント

・食塩は特殊な加工をしてないシンプルなタイプを使ってください。加工した食塩の場合、気泡が多量に発生したり、濃度差ができにくかったりする場合があります。
・食塩を入れてからは、直射日光を当てないようにしてください。気泡が大量に発生したり、水の対流が起こって濃度差ができにくくなります。
・蜃気楼の像は、水面付近から斜め下を見た場合に最も大きく変化して見えます。

日本でも、さまざまな場所で蜃気楼が見られます

蜃気楼は砂漠の現象と思われがちですが、実際の蜃気楼は空気の上下の温度差によって起こるので、日本でも見ることができます。冷たい空気は密度が高く、暖かい空気は密度が低いので、上下で温度差の大きい気象条件では蜃気楼が起こりやすくなります。春から夏にかけては、強い日射しで熱せられた地面やアスファルトによって下層の空気が暖められ、上層との温度差で蜃気楼が現れます。「逃げ水」も同じ原理です。反対に秋から冬にかけては地面が非常に冷たくなり、上層より地表付近の空気が冷たくなって蜃気楼が起こることがあります。また富山湾や琵琶湖では、さまざまな気象条件が複雑に影響して蜃気楼が現れやすいといわれています。

浮かぶ、沈む、伸び縮み。蜃気楼の面白い実態

実際の蜃気楼にはいくつかのタイプがあります。まず、大気の上層が暖かく下層が冷たい場合に現れるのが、上位蜃気楼です。実像からの光が「へ」の字型に曲がって届くので、実像より上の方に蜃気楼が現れます。多くの場合、実像の上に反転した像がくっついて見えます。条件によっては、風景が伸びたり縮んだりして見える場合もあります。実験で見られたのはこのタイプです。
大気の上層が冷たく下層が暖かい場合に現れるのは、下位蜃気楼です。実像からの光が上位蜃気楼の逆向きに曲がって届くので、実像より下の方に蜃気楼が現れます。実像の下に反転した像の一部がくっついて見える場合が多く、ものや風景が浮き上がったように見えます。「浮き島」と呼ばれる現象をはじめ、砂漠の蜃気楼や逃げ水もこのタイプです。その他、九州の八代海で見られる不知火(しらぬい)は、大気の密度が水平方向に変化する気象条件で、実像の側方に蜃気楼が表れたものと考えられています。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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