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接着剤も分子間力を利用。ものをくっつける基本の力
分子間力は分子どうしが十分に接近してないと、はたらきません。
ガラスは表面が非常になめらかなので密着しやすく、分子間力でくっつきやすいのですが、一般の物質は平らなように見えても表面に細かい凹凸があるので、分子間力がはたらきにくくなります。そこで、いろいろな物質をくっつけるときには接着剤が活躍します。
接着剤は3つの作用でものをくっつけます。物質の凹凸に入りこんで「いかり」のようにはたらく作用。一部の物質と化学反応を起こして結合する作用。そして物質の分子に密着して、物質と接着剤の分子の間で分子間力をはたらかせる作用です。
接着剤は、接着するものの性質に合わせてこれらの作用を上手に組み合わせ、最適な接着力を生み出しています。

ぬれたガラスをくっつけているのは、どんな力?
実験の最初にやったように、水でぬれたガラスを重ね合わせると、ぴったりくっつきます。ガラス面と水平な方向へは簡単にずらせますが、垂直な方向にはがそうとすると、非常に大きな力が必要です。このときガラスはどんな力でくっついているのでしょう。
このときガラスとガラスの間は水で満たされています。空気が入れないので、ガラスの外側から大気圧がかかります。吸盤がくっつくのと同じ理由です。大気圧は1cm2当たり約1kg重にもなるので、2枚のガラスは相当大きな力で押しつけられ、くっつくのです。ただし、水は変形しやすいので大気圧が影響しない水平方向の力には弱く、横にずらすと簡単にはがれてしまいます。このことから、水平方向にも動かない乾いた状態は、大気圧ではなく、分子間力がはたらいていることがわかります。