なんでだろう?
大きなかたまりの氷は透明なのに、同じ氷を細かく削ってかき氷にすると、白く不透明になるのはなぜでしょう?
そうなんだ!
同じ氷が透明に見えたり、白く見えたりするのはよく考えると不思議です。
その理由を確かめるために、簡単な実験をしてみましょう。
透明なプラスチックに細かい紙やすりでキズをつけると白くなります。
そこにセロハンテープを貼ると、貼った部分だけ透明になります。透明なプラスチックに光が当たると、光は一定の方向に通過するか反射するかのどちらかですが、キズによる細かい凸凹があると、光がさまざまな方向に反射(乱反射)するので白く見えます。
テープを貼ると再び透明になるのは、粘着剤がキズを埋めて乱反射が起こらなくなるからです。
細かい氷でも同じように光が乱反射するので、かき氷は白く見えるのです。
1. 透明な薄いプラスチックのシート
※お総菜パックなどの平らな面を切ったもの
2. 紙やすり(1000〜2000番程度の細かいもの)
3. セロハンテープ
・はさみ
実験で使用した材料の詳細
・プラスチックのシート 大創産業 フードパック深型タイプL
・紙やすり 日本研紙株式会社 サンド耐水ペーパー P1500
・セロハンテープ 大創産業 セロハンテープ 15mm×50m
※実験材料の一例です。準備する際の参考にしてください。
[実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
実験①
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1
プラスチックシートの表面を紙やすりで
白っぽくなるまでキズつけます。 -
2
シートが不透明になって向こう側が見えないことを確認します。
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3
シートの一部分にセロハンテープをぴったり貼りつけます。
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4
テープを貼った部分だけ透明になることを確認します。
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5
テープをはがして、シートとテープを観察します。
どちらも不透明になっています。
実験② 氷でも確かめよう! 細かいキズをつけると白くなる。
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1
透明な氷におろし金でキズをつけます。
-
2
白く不透明になります。
-
3
水でぬらしてキズを消すと再び透明になります。
※おろし金で手をキズつけないように注意してください。
実験を成功させるコツとヒント
・紙やすりは1000番以上の細かいものを使用してください。粗い紙やすりを使うと、セロハンテープを貼ってもキズが埋まりにくく、透明になりません。
鏡やめがねをくもらせるのも乱反射のしわざです
お風呂の鏡やめがねがくもるといった困った現象は、乱反射が原因です。鏡やレンズの表面で水蒸気が冷やされると、細かい水滴ができます。それぞれの水滴の表面で光がさまざまな方向に反射するので、白くくもって見えるのです。水をかけるなどして水滴を取り除くと、本来の性質を取り戻し、よく見えるようになります。
乱反射は困ることだけでなく、私たちの役に立つこともあります。すりガラスは、透明なガラスの表面に人工的にキズをつけて乱反射させています。電球や照明器具は乱反射を利用して光を拡散し、やわらかく照らします。また、映画館のスクリーンも乱反射するように加工されています。もし、スクリーンが鏡のように反射したら、映画を映し出すことができません。
乱反射するから、ものを見ることができます
言葉の印象から乱反射は特殊な反射のように感じるかもしれませんが、ほとんどの物体の表面では光が乱反射しています。自然界では、むしろ鏡のように一定の方向にのみ反射(鏡面反射)する方が、めずらしい現象なのです。鏡面反射が起きるためには、ガラスや波のない水面のように、非常になめらかな平面が必要です。
鏡面反射する物体を見ると、常に特定の方向からの光だけを反射するので、その方向の風景が写って見え、反射している物体自身は見ることができません。それに対して、乱反射する物体では、光がさまざまな方向に反射されるので、どの方向から見てもその物体の色や形がわかります。物体が白く見えるのはすべての光を反射し、赤や青に見えるのは特定の色の光だけを反射しているからで、どちらの場合も乱反射です。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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