試してフシギ

摩擦熱ひもで湯をわかす!?(No.223)

ひもで湯をわかす!? ひもで湯をわかす!?

実験監修:東海大学特任教授 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

水を入れた金属の管をひもでこすると湯が吹き出しました。沸騰したようです。

そうなんだ!

水が沸騰するためには、1気圧では100℃以上に加熱する必要があります。細いひもでこするだけで、そんな高温になるとは想像しにくいかもしれませんが、湯が吹き出したのは管の中の水が沸騰した証拠です。水が沸騰して水蒸気になると体積は約1700倍にも膨張するので、湯と水蒸気の混ざったものが管から勢いよく吹き出したのです。
実は、水を沸騰させた正体は摩擦熱です。金属の管にひもを巻きつけてこすると、摩擦によって熱が発生します。手をこすり合わせると熱くなるのと同じ原理ですね。ひもでこすり続けて管の温度がどんどん上がり、100℃になると中の水が沸騰します。細いひもと人の力だけでも、同じ場所に摩擦を加え続けると、少量の水なら沸騰させるほど高温にできるのです。

1. 金属製の空気入れノズル(ボール用) 1個
2. つまようじ 1本
3. 割りばし 2本
4. ペットボトルのふた 2個
5. 養生テープ(ガムテープでも代用できます)
6. 注射針型スポイト(極細タイプ)
7. 太めのたこ糸 1m
・ニッパー
・セロハンテープ
・彫刻刀
・水
・机

実験で使用した材料の詳細

・空気入れノズル 大創産業 自転車空気入れハンディータイプ専用パーツセット
・養生テープ 大創産業 仮止めテープ(養生)38mm×10m
・注射針型スポイト 大創産業 スポイトセット
・たこ糸 大創産業 たこ糸40m

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    空気入れノズルの側面の穴をセロハンテープでふさぎます。
    ノズルの底につまようじを差し込み、はみ出た部分をニッパーで切り取ります。

  • 2

    2本の割りばしの中央部をそれぞれ彫刻刀で削り、図のように大きい穴と小さい穴を開けます。
    割りばしを少し開いて片側だけに小さな凹みを彫ります。

  • 3

    ノズルの上下を割りばしの穴の部分ではさみ、開いている端をセロハンテープで巻いて固定します。
    小さい穴の両横にもテープを巻きます。

  • 4

    ③にペットボトルのふたを組み合わせ、セロハンテープでしっかり固定します。

  • 5

    ④を机に養生テープで図のように固定します。

  • 6

    注射針型スポイトを使って、ノズルの中に水を入れます。

  • 7

    2重にしたたこ糸をノズルに巻きつけます。

  • 8

    たこ糸の両端を、指に巻いてしっかり持ち、左右交互に引っぱってこすります。30回くらいこすると沸騰します。

    ※熱い湯が吹き出すので、ノズルの先に顔などを近づけないでください。

実験を成功させるコツとヒント

・空気入れノズルの中にスポイトが入りにくいことがあります。その場合は、ゼムクリップを伸ばしたものを差し込んでノズルを広げてください。
・こするときは、たこ糸がノズルと密着するように左右にピンと張り、なるべく同じ場所を摩擦するようにしてください。
・たこ糸が切れやすいときは、たこ糸を3重や4重にして試してみてください。

困りもの? 役に立つの?摩擦熱の意外な利用法

摩擦のあるところには必ず摩擦熱が発生します。機械などで発生する摩擦熱は困りものです。機械を動かすエネルギーが熱エネルギーとしてムダに使われるうえに、熱によって部品が劣化することも。そのため、接触する部分を滑らかにしたり、潤滑剤を使ったりして摩擦を小さくする工夫がされています。
一方で、自転車などのブレーキは、摩擦熱を発生させることで運動エネルギーを減少させ、速度を落とすのに利用しています。
また、消えるボールペンも摩擦熱の応用。熱によって色が変わる特殊なインクが使われており、ペンのゴム部分でこすると、摩擦熱でインクが透明になるのです。

ものをこすり合わせると、なぜ熱が発生するのでしょう?

熱は分子運動が原因の何かでは無く、ミクロな分子運動の激しさをマクロに表したものです。分子が激しく動いているときは温度が高く、分子があまり動いてないときは温度が低い状態です。ものとものをこすり合わせると、表面の分子がぶつかり合うことや、分子同士が引き合う力の作用で分子の動きが激しくなります。そのため、ふれ合っている部分の温度が高くなるのです。このとき、こすり合わせるものの表面をあらくしたり、強い力で押しつけたりすると、摩擦力が大きくなってより大きな摩擦熱が発生します。また、摩擦熱は運動エネルギーの一部が変化したものなので、こすり合わせるものをより速く動かした場合も、発生する熱量が大きくなります。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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