試してフシギ

ジャイロ効果めでたさ重ねる二段ゴマ(No.222)

めでたさ重ねる二段ゴマ めでたさ重ねる二段ゴマ

実験監修:東海大学特任教授 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

勢いよく回転するコマの上でもうひとつのコマが回っています。

そうなんだ!

二段に重ねたコマは一見、非常に不安定に感じます。それなのに、なぜ倒れずに回転するのでしょう? それは「回っているから」です。コマのように軸の周りで回転する物体には、外から力がかからない限り回り続けようとする性質(回転の慣性)があります。
さらに、回転している物体には、なるべく同じ姿勢を保ち続けようとする性質(ジャイロ効果)もあります。回っているコマは、この2つの性質によって意外に安定しているのです。とはいえ、二段に重ねて回すためには少々工夫も必要です。下段のコマはなるべく長く回り続けるように、上段のコマは軽くて倒れにくいように作られています。
さあ、二段ゴマで今年の実験始めをしませんか。

1. CD(いらなくなったCDやDVD) 2枚
2. ビー玉(直径17mm) 1個
3. コマ模様シート
(図案PDFをダウンロードしてください)

4. ペットボトルのふた 1個
5. ナット(穴の直径5mmくらい) 1個
6. プラスチックのコップ(口の直径7.5cmくらい) 1個
7. つまようじ 1本
8. ビニールテープ
・強力接着剤
・のり
・はさみ
・カッターナイフ
・押しピン

実験で使用した材料の詳細

・ビー玉 CAMEL Brand
・ナット コーナン商事 ユニクロ六角ボルト 6×20
・コップ 大創産業275ml プラスチックカップ
・つまようじ WATARU TRADING お徳用つま楊枝(65mm 約620本入り)
・ビニールテープ 大創産業 電気絶縁用ビニールテープ 赤 3P

下記のPDFをプリントアウトしてください。

図案

[PDF:85.6KB]

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    2枚のCDを接着剤で貼り合わせます。
    さらに、反射面側の穴に、ビー玉を接着剤で固定します。

  • 2

    コマ模様シートを切って、のりでCDの印刷面に貼りつけます。
    ※白地のシートで、お好みの模様のコマも作れます。

  • 3

    ペットボトルのふたを模様シートの穴に合わせ、CDに接着剤で固定します。
    ナットをふたの中心に接着剤で固定すれば、大コマの完成です。

  • 4

    プラスチックのコップを図のように切って、底の中心に押しピンで穴を開けます。

  • 5

    ④のふちにビニールテープを3重に巻きます。
    底の穴につまようじを通せば、小コマの完成です。

  • 6

    二段ゴマを回します。
    まずペットボトルのふた部分を持って大コマを回し、ナットの穴に小コマの軸を入れて回します。

実験を成功させるコツとヒント

・CDとビー玉の接着には、ガラスの接着に適した強力接着剤を使用し、十分に乾かしてください。
・ペットボトルのふたは、模様シートの目印に合わせて、CDの中心に正確に取り付けてください。
・大コマも小コマも、それぞれ単独で安定して回せるように練習してから、二段で回すようにしてください。

二段ゴマに隠された小さな工夫の積み重ね

簡単な工作ですが、二段ゴマにはよく回るコマのヒントが詰まっています。まず下段のコマは、長く回転させるために回転軸にビー玉を使います。ビー玉は硬いうえに、かなり正確な球形なので軸の接触抵抗を小さくします。さらに、中心が決まりやすいCDを2枚貼り合わせた本体は、重心と回転軸をずれにくくするうえに、回転の慣性も増やしています。上段のコマは、軽い素材にテープを巻いて回転の慣性を増やし、重心を下げて倒れにくくしています。これらの工夫で二段ゴマは安定して回るのです。上手に回せるようになったら、小さな板などにのせてコマの曲芸に挑戦してみましょう。

うまくいったら拍手かっさい! 二段ゴマの綱渡り

今回の実験で作った二段ゴマは安定感抜群なので、二段重ねで回しながら綱渡りさせるなんてことも可能です。まず、プラスチックのコップとストロー、そしてオモリにする乾電池で図のような「コマ受け」を作ります。たこ糸をストローに通してピンと張り、コマ受けの上で二段ゴマを回します。たこ糸の一端をゆっくりと上下させると、二段ゴマがするすると渡っていきます。コマは一度回り始めると、ジャイロ効果で同じ姿勢を保ってくれるので、最初だけ落とさないように慎重に回すのがコツです。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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