試してフシギ

赤外線隠した文字が読めるかな?(No.219)

隠した文字が読めるかな? 隠した文字が読めるかな?

実験監修:東海大学特任教授 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

学校の宝物を奪った怪盗レッドから真っ黒な挑戦状が届きました。
名探偵ニュートンは、どんな方法で解読するのでしょう?

そうなんだ!

ヒントを手がかりに考えてみましょう。
まず、光の3原色。挑戦状の端を見ると、赤・緑・青の3色のセロハンが重ねられています。色セロハンは、その色の光以外はほとんど通しません。
光の3原色である赤・緑・青のセロハンを重ねると、どの色の光も通らなくなって真っ黒に見えます。3色のセロハン2組の間に文字を書いた紙をはさんであるので読めないのです。
次に赤外線に注目します。色セロハンは可視光線を通さないだけで、赤外線は通します。つまり赤外線を使えば、紙の文字が読めるはずです。でも人間の目は赤外線が見えません。
そこで、最後に登場するのが、赤外線もとらえることができるデジタルカメラ。赤外線を含む太陽光を後ろから当て、デジタルカメラで写せば、ほら、怪盗レッドの手紙が現れます。

1. コピー用紙(A4)1枚
2. 赤・緑・青の色セロハン(A4)各2枚
3. クリアファイル(A4)1枚
4. アルミホイル
5. 紙コップ 1個
6. デジタルカメラ(スマートフォンなど)
・細書きのサインペン
・セロハンテープ
・カッターナイフ
・両面テープ
・白熱電球の照明器具(またはLEDでない懐中電灯)

実験で使用した材料の詳細

・カラーセロハン 大創産業 カラーセロハン(約50×70cm 5枚入)
・クリアファイル 大創産業 A4クリアホルダー
・アルミホイル 大創産業 アルミホイル(長さ約24m×幅約25cm)
・紙コップ 大創産業 ペーパーカップ(205mL)

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    コピー用紙の中央にサインペンで文字を書きます。

  • 2

    3色のセロハンを重ねたものを2組つくり、間に①の紙をはさんでクリアファイルに入れます。

  • 3

    紙コップの底にカメラのレンズより少し大きめ(スマートフォンの場合は約15mm角)の穴をあけます。
    ふちに切れ目を入れて開いて平らにし、外側にアルミホイルを巻きつけます。

  • 4

    カメラのレンズに紙コップの穴をあわせ、両面テープかセロハンテープで固定します。

  • 5

    晴れた日の明るい窓辺で②を窓ガラスに押し当て、文字が見えないことを確認します。
    カメラを起動して紙コップをファイルに密着させ、モニターに映った文字を読み取ります。

実験を成功させるコツとヒント

・天気によって太陽光の強さは変化するので、太陽光での実験は晴れの日に行ってください。薄曇りで光量が足りない場合は、クリアファイルを直接太陽に向けて試してください。完全な曇りや雨の日は実験できません。
・室内で白熱球を使って行う場合は、部屋を暗くして実験してください。光が強すぎて肉眼で文字が見える場合は、ファイルを電球から遠ざけます。光が弱すぎてデジタルカメラに写らない場合は、電球に近づけて試してください。
・紙コップで作ったフードをクリアファイルに密着させ、すき間から外の光が入らないようにしてください。

白熱電球や蛍光灯、LEDの光などで挑戦状は読めるでしょうか?

隠した文字がデジタルカメラで読めるかどうかは、その光に赤外線が含まれているかどうかによります。
太陽光は可視光線以外にも、赤外線や紫外線などのさまざまな光を含んでいるので読めるのです。白熱電球も、可視光線以外に赤外線を出しているので読むことができます。それに対して、一般的な照明用の蛍光灯やLEDは赤外線を出さないので読めません。

見えないから大活躍。赤外線の意外な利用法

可視光線の中で最も波長の長い光は赤色です。赤外線は赤色光よりさらに波長の長い電磁波なので、人間の目には見えません。そのため、身の回りで多く使われていてもあまり気付かれないのです。最も身近な用途は家電製品のリモコンでしょう。テレビやエアコンのリモコンをよく見ると、先端部に小さい電球のようなものがついていますね。これが赤外線を出す特殊なLEDです。デジタルカメラを使って、暗いところでボタンを押したリモコンの先端を写すと、光っているのが確認できます。
赤外線は目に見えないので、電波と同じように扱えます。また、電波に比べると届く範囲が狭いのですが、この性質がリモコンなどには好都合です。関係のない機器を誤作動させたり、情報がもれる心配があまりありません。そのため、携帯電話などの間でデータをやりとりする赤外線通信にも利用されています。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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