試してフシギ

マジックミラー後ろが見えるスパイめがね(No.215)

後ろが見えるスパイめがね 後ろが見えるスパイめがね

実験監修:東海大学特任教授 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

まるで後ろに目があるような不思議な見え方のめがねです。

そうなんだ!

後ろにいるネコのいたずら、前を向いているのにしっかり見られていますよ。でもどうして、後ろの様子を見ることができるのでしょう?
そのヒミツは「スパイめがね」にあります。色の濃い半透明の素材は、マジックミラーと同じはたらきをします。明るさによって透けたり、鏡になったりするのです。マジックミラーは、入射した光を一定の割合で反射し、残りを透過させます。マジックミラーの両側の明るさが異なる場合、明るい側から見ると反射する光が透過する光より多く目に入るので、鏡のように手前のものが映ります。暗い側から見ると透過する光が反射する光より多く目に入るので、向こう側が透けて見えます(図)。
後方が明るい場所で「スパイめがね」をかけると、顔の影になる中央は暗くなって前がよく見え、両端は前が透けて見えながら後ろの風景が映るというわけです。

マジックミラーの原理

1. 半透明のプラスチックの下敷き(B5サイズ) 1枚
※なるべく濃い色のもの
2. 曲がるストロー 2本
・カッターナイフ
・定規
・セロハンテープ

実験で使用した材料の詳細

・下敷き 日本パール加工 B5 色透明下敷き
・ストロー 大創産業 曲がるストロークリア(6mm×210mm)

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    図を参考に、下敷きをめがねの形に切り抜きます。

  • 2

    ストロー2本の曲がらない方を切って約17cmの長さにし、切り口に約7mmの切り込みを入れます。

  • 3

    ストローの切り込みを入れた方を①の切れ目に差し込んで開き、セロハンテープで固定します。耳にかけるところを曲げたらスパイめがねの完成です。

  • 4

    スパイめがねをかけてめがねの両端に映る風景を観察します。前後の明るさの違いで、見え方がどう変わるかも確かめましょう。

実験を成功させるコツとヒント

・下敷きは何色でもかまいませんが、色の濃いものの方が鏡としてよく映ります。
・前方が極端に明るいと、スパイめがねに後方が映らないことがあります。

透明なガラスも場合によってはマジックミラーになります

実際のマジックミラーは、透明なガラスや樹脂の表面に特殊な加工をして、一定の割合で光を反射させています。ところが、普通のガラスでも、わずかですが表面で光を反射します。そのため、ガラスの両側で明るさが極端に異なると、マジックミラーと同じようなはたらきをします。昼間、外から室内を見ると景色が映ってよく見えないのに、夜は丸見えになるのはそのためです。昼と夜では内外の明るさが逆転するので、見え方も反対になります。ご用心!

端っこがよく映る「スパイめがね」のもうひとつのヒミツ

ガラス窓などで、端の方だけが鏡のように反射しているのを見ることがあります。透明な板が鏡になる現象は、マジックミラーの原理(両側の明暗差)以外にも、ある光の性質が影響する場合があります。光は、空気とガラスのように異なる物質の境目では、屈折してそのまま進む光と、反射して戻る光にわかれます。その際に、境界面に入ってくる光の角度が平面に近づく(入射角が大きくなる)ほど反射しやすくなるという性質があります。スパイめがねの両端でも、中央に比べると目に届く光の入射角が大きくなるので、いっそうよく映って見えるのです。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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