なんでだろう?
手首に置いたストローが、まるで計器の針のように動いています。
いったい何を示しているのでしょう?
そうなんだ!
手首で測るものといえば、そう、脈拍です。ストローとコインでつくった簡易脈拍計が、手首の脈拍を拡大 して見せているのです。でもどうして、こんな簡単な仕組みで、微小な脈拍の振動を見ることができるので しょう? 脈拍は、心臓の収縮が、血液の圧力の変化として全身の動脈に伝わったものです。手首の動脈は 比較的浅いところを通っているので、皮膚の上からでも、わずかに動きを感じることができます。簡易脈拍計を 手首の動脈の上に置くと、動脈の動きがコインを揺らします。コインの動きは目に見えないほど小さいもの ですが、コインに対して垂直に取り付けたストローの先は、てこの原理で拡大されて大きく動きます。ストロー の動きはまるで心電図のように見え、脈拍が心臓の動きとつながっていることを実感できますね。
1. 曲がるストロー 1本
2. 10円硬貨 1枚
3. 色付きのビニールテープ
・セロハンテープ
・本などの台(4cm~5cm)
実験で使用した材料の詳細
・ストロー 大創産業 曲がるストロークリア(6mm×210mm)
・撮影用ストロー 友栄 カラーフレックスストロー(直径約6mm)
・ビニールテープ 大創産業 電気絶縁用ビニールテープ 赤
[実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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1
曲がるストローの短い方に、10円硬貨をセロハンテープで固定します。
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2
硬貨を下にしてストローが自立するように、曲げる角度を調整します。
目印として、ストローの先端にビニールテープを一周だけ巻きます。 -
3
手首の内側が反るように腕を台にのせ、手を強めににぎります。
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4
脈拍を感じる場所に硬貨を置き、ストローの先端の動きを観察します。
※うまく動かないときは、置く場所や 角度を少しずつ変えて試しましょう。
実験を成功させるコツとヒント
・手首の動脈は、脈を感じる場所や動き方に個人差があります。硬貨を置く場所や角度を変えて、根気よく試してみましょう。
・実験者の手が小さいと10円硬貨では大きすぎて反応しない場合あります。5円硬貨や、1円硬貨を2枚重ねたものに替えて実験してみてください。
・装置が不安定で倒れやすいときは、ストローの長い方の中央が硬貨の真上にくるように、曲げる角度を正確に合わせてください。
小さな振動をキャッチして大きな貢献をします
医師が脈拍で健康状態を知るように、普段は気にならない小さな振動から多くの情報を得ることができます。たとえば機械や建物の微小振動からは、異常な動きや目に見えない内部の状態を知ることができ、重大な事故や故障を防ぐことにつながります。そのため、現在では半導体やレーザー光を使った微小振動の計測技術が開発され、さまざまな分野で活躍しています。
実際の脈拍や心電図はどうやって測っているの?
医療の現場で脈拍を計測するときは、手首の動脈に人さし指、中指、薬指の3本の指を当てて1分間の脈拍を数える方法が一般的です。また手首などに装着して、センサーで脈拍を検知する脈拍計も市販されており、運動中でも計測できることから、スポーツやフィットネスに利用されています。
脈拍が心臓の拍動数を示しているのに対して、心電図は心臓の動きをもっと細かく視覚的に表したものです。心電図の測定は体の数カ所に電極を貼りつけ、心臓の収縮にともなうわずかな電流の変化を検出します。検出した電気信号を増幅してモニターに映し、医師はその形を分析することで病気の診断や治療に役立てています。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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