試してフシギ

静電フィルターストローで空気のお掃除(No.211)

ストローで空気のお掃除 ストローで空気のお掃除

実験監修:東海大学特任教授 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

煙が立ちこめたボトルにストローを入れると徐々に煙が消えて、澄んだ空気になりました

そうなんだ!

線香の煙を充満させたペットボトルにストローの束10本ほどを入れて、しっかりふたを閉めます。すると、ボトルの中の煙は時間とともに薄くなり、数分後にはほとんど無くなりました。ストローには煙を消す不思議な力があるのでしょうか?実は、ボトルに入れる前のストローに、少しだけ細工をしておきました。
ストローに静電気を発生させたのです。煙の正体は、空気中をただよう炭素などのごく細かい粒(微粒子)です。静電気を帯びたストローは煙の微粒子を引きよせてくっつけるので、時間とともにボトルの中の空気はきれいになります。このように、静電気によって微粒子をくっつける仕組みを静電フィルターと呼び、空気清浄機などに使われています。また、普通のマスクでは遮断できない黄砂やPM2.5、かぜなどのウイルスもキャッチできる高機能マスクにも応用されています。

微粒子の大きさ

微粒子の大きさグラフ

1. ペットボトル(500mL) 2本
2. 線香または蚊取り線香
3. ストロー 10本
4. マフラーなどのウール製品
・ライター
・灰皿などの灰を受ける器

実験で使用した材料の詳細

・線香 大創産業 約15分燃焼の小さいサイズお線香
・ストロー 大創産業 ストレートストロー クリア(250本入)
・ウール製品 無印良品 ウールリブマフラー ベージュ

※実験材料の一例です。準備する際の参考にしてください。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    2本のペットボトルに線香の煙を同じ濃さになるまで充満させ、ふたを閉めます。

  • 2

    全部のストローをまんべんなく ウール製品でこすります。

  • 3

    1本のペットボトルのふたを開けてストローを入れ、すばやくふたを閉めます。

  • 4

    2本のペットボトルをならべて、 煙の様子を観察します。

実験を成功させるコツとヒント

・静電気の実験には湿度が大きく影響します。秋から冬にかけた、気温の低い乾燥した日がおすすめです。空気中の水分を通して静電気が逃げやすくなるので、湿度の高い夏場や雨の日は避けてください。また乾燥している冬場でも、加湿器や水分の出るガスストーブなどは使わないでください。
・ストローをウールでこすっても静電気が起きにくい場合は、1本ずつ紙袋に入ったストローで試してみてください。紙袋からストローを取り出すときの摩擦で、こすったときよりも強い静電気が発生します。
・ペットボトルに線香を充満させるときは、ボトルの中の酸素が少なくなって火が消えてしまわないように、線香を出し入れしながら煙をいれてください。

ホコリも汚れた空気も静電気できれいにします

テレビの画面やパソコンのモニターにホコリがついて汚くなるのは、静電気が原因です。ところが、この静電気を上手に利用すると、ホコリを吸着して逃さないモップやはたきがつくれます。また、電気集塵式の空気清浄機では、煙や花粉などの微粒子にプラスの静電気を帯びさせ、マイナスに帯電させたフィルターで吸着させています。やっかいな静電気も使いようですね。

教えて! かぜの予防に役立つ正しいマスクのつけ方

一般に市販されているマスクにも、静電フィルターなどを利用した高機能なものが増えてきました。高機能マスクでは、かぜやインフルエンザのウイルスも捕らえることが可能ですが、どんなマスクでも、正しいつけ方をしなければ、ほとんど効果が期待できません。大切なのは、自分の顔に合ったサイズを選び、顔とマスクの間にすき間をつくらないこと。まず上下を確認してゴムひもを耳にかけます。プリーツのあるものは広げて、鼻からあごまでしっかりおおいます。鼻の部分に針金が入っているタイプは、鼻の形に合わせて針金を曲げて密着させます。これで、高機能マスクが十分に性能を発揮できます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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