試してフシギ

たこの原理おうちの 中で、たこあげ大会(No.198)

おうちの 中で、たこあげ大会 おうちの 中で、たこあげ大会

実験監修:東海大学教育開発研究所所長 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

最近はお正月でも、たこあげをする光景をあまり見かけなくなりました。そこで、簡単につくれて室内で遊べる超ミニサイズのたこを紹介します。糸を持って普通に歩くだけで、面白いようにスイスイあがります。ところで、単純な構造で動力も持たないたこが、なぜ空高くあがるのでしょう。少し不思議ですね。

そうなんだ!

たこは、風を上手に逃がすことで大空にあがります。そのために重要な工夫が二つあります。まず、たこの傾き。たこが風を受けると、少し前に傾くように引き糸をつけます。前傾したたこに当たった空気は、ななめ下に逃げます。この反作用で、たこはななめ上に押し上げられるのです。 もう一つの工夫は、たこの反りです。平らな面で風を受けると、ヒラヒラして姿勢が安定しません。左右対称の反った形にすることで、風を左右均等に逃してぶれを防いでいるのです。さらに、しっぽをつけることで、たこはいっそう安定します。

1.発泡ポリエチレンシート
 (梱包シート)20cm×20cm 数枚
2.ぬい糸 1〜2m
3.紙テープ
 ※新聞紙などを細長く切ったものでも代用できます。
・セロハンテープ
・カッターナイフ
・はさみ
・定規

実験で使用した材料の詳細

・発泡ポリエチレンシート 大創産業 梱包カバーシート20×20cm 30枚入
・ぬい糸 大創産業 家庭用手ぬい糸(太口)
・紙テープ 大創産業 紙テープ 約33m巻2個入

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    梱包用の発泡ポリエチレンシートを10cm角に切ります。シートの筋が横になるように置き、図の位置(×)に印をつけます。

    ※絵柄は、この段階で油性ペンで描きます。

  • 2

    紙テープを1cm幅に切ります。引き糸を表に、紙テープのしっぽを裏に①でつけた印に合わせてセロハンテープで貼ります。

  • 3

    シートの裏に9cmの糸2本をセロハンテープで貼って反りをつければ完成。いろいろな大きさや形のたこをつくって、飛び方を比べてみましょう。

実験を成功させるコツとヒント

・大きめのたこをつくるときは、しっぽを左右に2本つけると安定します。また、小さめのたこの場合は、重くなりすぎないように細いしっぽにしてください。
・左右対称なら、ほとんどの形がたこになります。どんな形の場合でも、引き糸は左右の中心線上で、たこの重心の少し上につけてください。

たこあげは、もともと「いか」あげだった?

たこあげの「たこ」は明治時代の初め頃までは、主に西日本で「いか」「いかのぼり」と呼ばれていました。「たこ」は江戸で使われるようになった呼び方。それが明治以降、徐々に全国に広まっていきました。タコもイカも海の生き物。大空を飛ぶ物体を水生動物に見立てた昔の日本人は、柔軟な感性を持っていたのですね。

たこでサーフィン! 船も動かすたこの力

専用のたこでサーフボードに乗った人を引っぱり、水上を滑走するカイトボードというスポーツがあります。軽快なパフォーマンスが楽しめるので、新しいマリンスポーツとして人気上昇中です。同様のしくみで船を動かそうという試みも。実際に、ドイツの企業が開発したコンピューター制御のたこが貨物船の補助動力として使われ、燃料の節約に役立っています。

フランクリンが、たこあげで証明した雷の正体

アメリカ合衆国の著名な政治家であり科学者でもあったベンジャミン・フランクリンは、1752年に、たこあげによって雷が電気による自然現象であることを明らかにしました。雷雲の中にあげた布製のたこを使って、電気を取り出したのです。でも、これは命がけの実験。無事だったのは奇跡的でした。雷が鳴っていたり、雨雲があるときの屋外のたこあげは大変危険なので、絶対にしないでくださいね。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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