試してフシギ

光の全反射噴水で光のイリュージョン(No.192)

噴水で光のイリュージョン 噴水で光のイリュージョン

実験監修:東海大学教育開発研究所所長 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

色のついた光を通した水で、カラフルな4色の噴水をつくりました。あれ? 光はまっすぐ進むはずなのに、水の流れに沿って曲がっています。まるで水が光を運んでいるようですね。

そうなんだ!

光はまっすぐ進む性質がありますが、異なる物質の境界を通るときは、屈折や反射で進む向きが変わります。たとえば空気と水の境界もそう。水から空気に向かう光は、水面で屈折して空中に抜ける光と、反射して水中に戻る光にわかれます。光の角度を水面に近づける(入射角を大きくする)と、すべての光が水面で反射して水中に戻ります。これを光の全反射といいます。この噴水の中では、光の全反射が繰り返されているわけです。
放物線を描く水を手で受けてみてください。どの位置で受けても、光がそこまで届いていることを確認できますよ。

実験装置

1.透明の曲がるストロー(直径6mm)1本
2.色つきの曲がるストロー(直径6mm)5本
3.黒い色画用紙
4.アルミホイル
5.小型のLEDライト
6.ペットボトル(2L) 1本
7.洗面器などの水を受ける容器 ※室内で実験する場合に必要です。
・セロハンテープ
・ビニールテープ
・カッターナイフ
・はさみ

実験で使用した材料の詳細

・透明ストロー:大創産業 曲がるストロークリア(直径約6mm)
・黒ストロー:友栄 カラーフレックスストロー(直径約6mm)
・黒画用紙:大創産業 色画用紙くろ(10枚入)
・アルミホイル:大創産業 お徳用アルミホイル 約24m
・LEDライト:三菱電機 懐中電灯 CL-4601
・洗面器:コーナン商事 湯おけ(W)KOK21
・色セロハン:大創産業 カラーセロハン(約50×70cm 5枚入)

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    透明なストローを、曲がる部分を中心に3cmずつ残して切ります。それを色つきの曲がるストローとつなぎ合わせ、セロハンテープですき間ができないように固定します。

  • 2

    色画用紙でLEDライトがすき間なく入る筒を作り、図のように切り込みを入れます。透明ストローを切り込みに差し込み、セロハンテープで固定します。

  • 3

    筒の先にアルミホイルを巻き、光がもれないように包み込んでビニールテープで固定します。

  • 4

    点灯したLEDライトを画用紙の筒に差し込みます。
    ペットボトルに水を入れ、図のようにセットして噴水を作ります。ストローの先を強くおさえてつぶしておきます。
    ※お風呂や流し台など、水がこぼれてもかまわない場所で実験してください。

  • 5

    ペットボトルの底よりも水の出口を低くします。出口のストローを吸って空気を抜くと、水が連続して出てきます。

  • 6

    まわりを暗くすると、水が光っている様子を観察できます。水を手で受けると、どの位置で水を受けても光が届いていることを確認できます。
    ※写真は透明なストローに色セロハンをまいて、光に色をつけています。

実験を成功させるコツとヒント

・ストローのつなぎ目にすき間ができないように、ストローの端を正確に合わせてセロハンテープを密着させてください。接続に不安があるときは、巻いたテープの両端にさらにテープを巻いて固定してください。
・LEDライトの光が外にもれないようにしてください。アルミホイルとビニールテープで、小さなすき間もしっかりふさいでください。
・なるべく暗いところで実験してください。
・実験中は常に、水の出口はペットボトルの底より下にしてください。水の出口をペットボトルの水位より高い位置にすると、水は出ません。

水槽を下から見上げると何が見える?

光の全反射は簡単に確かめることができます。水を入れた水槽をテーブルに置いて、ななめ下から水面を見上げてみましょう。真下に近い角度からのぞくと天井が見えますが、水面に近い角度からのぞくと、水槽の向こう側にある物が見えます。水槽の向こう側からやって来た光が、水面ですべて反射して見えるからです。この実験は、透明なコップなどでもできますよ。

情報化社会を支える光ファイバー

インターネットなどで使われる光ファイバーは、中心部は光の屈折率が高く、周辺部は屈折率の低いガラスやプラスチックで作られています。つまり、今回の実験に置き換えると、屈折率が高いのが水で、低いのは空気といった関係です。中心部に入った光は、全反射を繰り返しながら遠くまで届きます。光ファイバー通信は、従来の銅線による通信と比べるとはるかに効率よく信号を送れるので、情報量が急増する情報通信の分野で欠かせなくなっています。

かぼそい光ファイバーのすごい実力

情報通信に使われる光ファイバーの直径は、わずか0.125mm。髪の毛ほどの太さしかありません。ところが、このかぼそい1本の光ファイバーには、とんでもない能力が秘められているのです。最新の海底ケーブルの光ファイバーでは、1本で1秒間にDVD約1700枚分の情報を送ることができるものがあります。日本中の人が同時に電話をかけても、計算上は全く問題がない通信能力です。
これだけの性能があれば、当分の間は心配いらないと思われるかも知れませんが、世界を駆け巡る情報量はものすごい勢いで増え続けています。そのため、さらに大量のデータを送れる光ファイバーが次々に研究開発され、日々進化しています。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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