試してフシギ

光の三原色ロウソクの色が変わる!色が消える?(No.178)

ロウソクの色が変わる!色が消える? ロウソクの色が変わる!色が消える?

実験監修:東海大学教育開発研究所所長 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

ロウソクに赤、緑、青の光を当てると、ロウソクはそれぞれの色に光ります。2色ずつ組み合わせて光を当てると、赤と緑では黄色に、赤と青では明るい赤紫色(マゼンタ)に、青と緑では明るい青緑色(シアン)に光ります。3色を同時に当てると、色が消えて白く光りました。

そうなんだ!

人間の目は赤、緑、青の3色と、明るさだけに反応する構造になっています。そのため、この3色の光を組み合わせることで、人間の目に見えるほとんどの色を作ることができるのです。赤、緑、青の3色を光の三原色と呼び、3色をすべて重ねると、太陽光と同じ白い色の光になります(加法混色)。逆に、プリズムを使って 太陽光を分解すると、さまざまな色が含まれていることを確かめることができます。ところで、光を当てたロウソクがきれいに光るのは、光がロウソク(パラフィン)の 粒子にぶつかって、いろいろな方向に反射(散乱)し明るさが均等になるためです。

1. 赤、緑、青色のLEDランプ(高輝度タイプ・順方向電圧3V程度) 各1個
2. 3Vコイン型電池 3個
3. ペットボトルのふた 3個
4. 白いロウソク 1本
・セロハンテープ
・両面テープ

実験で使用した材料の詳細

・赤色LED:ピースコーポレーション 5φ赤色LED Max8000mcd(10本セット)
・緑色LED:ピースコーポレーション 5φ緑色LED Max20000mcd(10本セット)
・青色LED:ピースコーポレーション 5φ青色LED Max9000mcd(10本セット)
・コイン型電池:maxell マンガンリチウム電池 CR2016
・ロウソク:大創産業 プレミアムろうそく5号(7本入)

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    LEDの足を軽く折り曲げ、コイン型電池に「-」側の足(短い方)だけセロハンテープで固定します。
    ※LEDは極性があるので、+-を正しく接続してください。逆に接続すると点灯せず、壊れる恐れもあります。

  • 2

    電池の「-」側を下にして、ペットボトルのふたに両面テープなどで固定します。3色のLEDで同様に作ります。

  • 3

    机の上にロウソクを立て、LEDを1色ずつ点灯してロウソクがほどよく光る距離を探します。 次に2色ずつ光を重ね、ロウソクの色を観察します。

  • 4

    LEDの足をすべて電池に固定し、3色の光でロウソクを照らします。LEDの位置を上手に調節すると、ロウソクの色が消えて白く光ります。
    ※光が強いLEDはやや遠ざけ、弱いLEDはやや近づけるように調節します。

実験を成功させるコツとヒント

・LEDは同じ電圧で使用するタイプでも、色によって明るさが異なります。ロウソクとの距離を調節して、ロウソクに当たる光が同じくらいの強さになるようにしてください。
・高輝度タイプのLEDが入手できない場合は、夜間や暗室などの暗いところで実験してください。周囲が十分に暗ければ、低輝度タイプのLEDでも実験できます。

LEDランプの白い光は加法混色で作ってる

照明用のLEDランプの多くは、太陽光に近い白い光です。実はこのランプの光も加法混色によって作られているのです。青色のLEDと黄色の蛍光体を組み合わせて視覚的に白く感じる光を出す方法が、発光効率が良いことから多く使われています。
LEDの出す光は、周波数の幅がとても狭いのが特徴です。そのため、赤や緑のように単一の光を効率よく出すのは得意ですが、ひとつのLEDだけで、白色光のように多くの色が混ざった光を出すことはできません。

テレビやパソコンのモニターはどんな仕組み?

テレビやパソコンのモニターにはいろいろな方式がありますが、どれも小さな点を赤、緑、青の三原色に光らせることで、カラー映像を映し出します。たとえば液晶ディスプレーは、電圧をかけると並び方が一瞬で変化する液晶分子の性質を利用します。映像信号に合わせて液晶が後ろからの光を通したりさえぎったりして、3色のフィルターを光らせています。ルーペで拡大すると3色の点が見えますよ。

カラー印刷はどんな方法で色を出すのだろう?

自ら光らない印刷物も、カラーの絵や写真を表現する仕組みはテレビやモニターによく似ています。印刷では、青(シアン)、赤(マゼンタ)、黄(イエロー)の3色のインキを使って、ほとんどの色を作ることができます。この3色を色の三原色と呼びます。
光の三原色との違いは、色の三原色を全部重ねると暗くなって黒っぽく見えることです(減法混色)。一般的な印刷では、三原色に文字や画像をくっきりさせるための黒を加えた4色のインキを使い、ごく小さな点にして紙に写します。印刷物をルーペで拡大すると、4色のインキでカラー印刷が作られていることがわかります。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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