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氷に塩を入れるとなぜ冷える?
氷に塩を混ぜると元の氷よりも冷たくなります。この実験ではマイナス10℃くらいになりました。どうしてそんなことが起こるのでしょう? 秘密は「溶ける」ことにあります。氷だけでなく、固体が溶けて液体になるときには、まわりから熱を奪います。氷に塩を混ぜると、塩のはたらきで氷が溶けやすくなるとともに、塩が水に溶けるときにも熱を奪うのでいっそう温度が下がります。
氷の種をまいて雨を降らせる
雲はとても小さな水滴(雲粒)の集まりです。雲が雨になるためには、雲粒がいちど凍って、まわりの雲粒をくっつけて大きくなる必要があります。ところが、気温が0℃以下の高い空の上でも水はなかなか凍らず、過冷却状態のままです。そこで、雲粒が凍るきっかけを人工的につくりだそうというのが人工降雨。水不足に悩む世界の各国で人工降雨の研究が行われています。

さまざまな人工降雨の方法と利用
人工降雨によく使われる「氷の種」は、ドライアイスやヨウ化銀という物質です。過冷却状態の雲の中にこれらの種をまいて氷の粒をつくります。飛行機を使ってまくのが一般的ですが、中にはロケットや大砲で雲の中に打ち上げる場合もあります。
人工降雨が最もよく利用されているのはアメリカ合衆国です。干ばつ対策だけでなく、スキー場に雪を降らせるたり、空港の霧を消したりするのにも利用されています。中国では、乾燥地帯の水不足を解消するために大がかりな人工降雨が実施されています。北京オリンピックの開会式では、雨雲を消すために人工降雨を利用したと言われています。日本でも、文部科学省と気象庁が2005年から本格的な人工降雨の研究をスタートさせました。自由に雨をコントロールして、水不足が解消できるようになったらいいですね。