なんでだろう?
むき出しの白熱電球のフィラメントに、乾電池と豆電球がつながっています。フィラメントにふうふうと息を吹きかけると、豆電球が明るくなりました。まるで火をおこしているようですね。
そうなんだ!
息を吹きかけるのは、熱くなったフィラメントを冷ますためです。フィラメントや電線などの電気を通す金属にも、電流をさまたげる電気抵抗があります。フィラメントに電流を流すと発熱するのは、この電気抵抗があるからです。金属の電気抵抗は温度を上げると大きくなり、下げると小さくなります。実験では、熱くなったフィラメントに息を吹きかけて冷ますことで、電気抵抗が小さくなりました。その結果、フィラメントに電流が流れやすくなり、豆電球が明るくなったのです。
1.白熱電球とソケット(レセップ※)
※自立して使用できる台付きのソケット
2.豆電球とソケット 1組
3.単3乾電池 4本
4.乾電池ホルダー(直列4本用)
※乾電池をリード線などで直列につないでも代用できます。
5.リード線
・セロハンテープ
・厚手の透明ポリ袋
・金づち
・ラジオペンチかニッパー
実験で使用した材料の詳細
・白熱電球:日立ライティング 60W型クリアタイプ
・白熱電球用ソケット:ELPA 丸形レセップ SB-2617H
・豆電球:大創産業 クリプトン球(2.5V 0.3A)
・豆電球用ソケット:ELPA 小ベース PP-03NH
・リード線:ELPA 10芯コード(5m 2本入)PP-14NH
・乾電池ホルダー:ELPA 電池ボックス(単3×4本)UM-340NH
[実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
・特に電球を割る工程は保護者が行ってください。
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1
白熱電球にテープを巻きつけます。電球を割ったときに、ガラスの破片でフィラメントを傷つけてしまわないようにするためです。
※この工作は必ず保護者にやってもらいましょう。ガラスの破片でけがをしないよう十分注意してください。 -
2
電球の根元(ガラスと口金の境目)を金づちで軽くたたいて割り、フィラメントを傷つけないように取り出します。ガラスの破片が飛び散らないように、ポリ袋の中にくるんで割りましょう。
※この工作は必ず保護者にやってもらいましょう。ガラスの破片でけがをしないよう十分注意してください。 -
3
口金からはみ出して残っているガラスをペンチなどで取り除き、テープを巻いてカバーします。
※この工作は必ず保護者にやってもらいましょう。ガラスの破片でけがをしないよう十分注意してください。 -
4
フィラメントをむき出しにした電球をソケットにねじ込んでセットします。
※この工作は必ず保護者にやってもらいましょう。ガラスの破片でけがをしないよう十分注意してください。 -
5
豆電球と乾電池(直列4列)と白熱電球ソケットをリード線で接続し、豆電球が点灯するのを確認します。
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6
豆電球を見ながら、フィラメントに息を吹きかけてみましょう。吹くと豆電球が明るくなり、やめると暗くなります。
実験を成功させるコツとヒント
・白熱電球は家庭用のタイプなら種類は問いません。ただし、電球の中が見える方がフィラメントを取り出しやすいため、ガラスが透明なもの(クリアタイプ)をおすすめします。
・フィラメントは傷つきやすいので慎重に作業してください。白熱電球にテープを巻かずに割ったり、電球の中央部をむやみに強くたたいたりすると、ガラスの破片や金づちでフィラメントを傷つけてしまいます。
・フィラメントをむき出しにした白熱電球には、安定させて安全に実験するために自立型のソケット(レセップ)を使うことをおすすめしています。白熱電球にリード線を直接つないでも実験できますが、その場合は電気配線の取り扱いに慣れた保護者が、熱やガラスに注意して実施してください。
暮らしを変える「電気抵抗ゼロ=超電導」の世界
金属をどんどん冷やすと、電気抵抗はどうなるのでしょうか? 実は、ある温度で電気抵抗が急に小さくなり、もっと冷やすと完全にゼロになる物質があります。電気抵抗がゼロになると、エネルギーの損失がなくなるのでさまざまなメリットが生まれます。この状態を「超電導」と呼び、日常生活のいろいろな分野での応用が期待されています。
超強力な電磁石で走るリニアモーターカー
超電導になる物質をコイルにすると、電気抵抗がないので大きな電流を流すことができ、小型で非常に強力な電磁石がつくれます。中央リニア新幹線で使われる予定のリニアモーターカーでは、超電導電磁石を使って時速500kmの高速走行を可能にします。
ムダなく電気を届ける超電導ケーブル
発電所でおこした電気はアルミニウムや銅の電線によって工場や家庭に送られます。ところが、現在の電線では電気抵抗のために一部が熱になってしまい、どうしてもムダ(電力損失)が発生します。そこで、電線の電気抵抗をゼロにして効率よく送電しようと研究されているのが、超電導ケーブルです。送電する時の電力損失がなくなれば、石油などの発電燃料も少なくてすみ、大幅な省エネルギーにつながります。二酸化炭素(CO2)の排出を減らせる技術です。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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