なんでだろう?
少し離れた2枚のアルミホイルの上に、たたんだティッシュペーパーが置いてあります。雨が降り始めると、アルミにつないだブザーが知らせてくれました。
そうなんだ!
それは雨と、ティッシュにつつんだ塩のおかげ。塩(塩化ナトリウム)は水に溶けると電気を通す性質があります。ティッシュが雨にぬれると中の塩が溶け、離れている2枚のアルミの間に電気が通るようになります。つまり、電池とブザーの間に電気が流れて鳴り出すわけです。塩のように、水に溶けると電気を通す物質を「電解質」といいます。水や電解質そのものは電気を通しにくい物質です。ところが、電解質は水に溶けると電気を帯びたイオンに変化して電気を運びます。イオンは金属に比べると少ししか電気を通しませんが、高い電圧をかければブザーを鳴らすこともできます。塩がセンサーになる「雨降りセンサー」を作って、梅雨を楽しんでみませんか?
1. プラスチックの板(CDケースなど)
2. アルミホイル2枚(3cm×3cm、アルミテープでもよい)
3. リード線(設置する場所に合わせた長さのもの)
4. 9V乾電池
5. 電子ブザー(1.5V用)
6. ティッシュペーパー(4cm×6cm)
7. 食塩
・セロハンテープ
・はさみ
実験で使用した材料の詳細
・電子ブザー(1.5V用):SMB-01 DC1.5V STAR
[実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
・器具の取扱には十分注意し、けがをしないようにしましょう。
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1
2枚のアルミホイルをプラスチックの板の上に並べ、はりつけます。
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2
アルミと電子ブザー、9V乾電池をリード線でつなぎます。
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3
ティッシュペーパーを3つ折りにして、塩ひとつまみ(約1g)を中につつみます。
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4
2枚のアルミのすき間の上に、塩をつつんだティッシュを置きます。
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5
ティッシュの上に水を数滴たらして、ブザーが鳴ることを確かめます。
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6
ティッシュと塩を取りかえて、テープで固定します。センサー部は雨のかかる屋外に、ブザーは室内にセットします。
実験を成功させるコツとヒント
・アルミホイルを設置する間隔は2mmくらいが適当です。間隔をあけすぎると感度が悪くなり、鳴りにくくなります。
・アルミにティッシュと塩をセットする際は、乾いた状態にしてください。余分な水分があると正しく作動しないことがあります。
・塩の量は多すぎても、少なすぎても感度が悪くなります。溶けやすくするためティッシュに薄く平らに広げてください。また、ティッシュを何枚も重ねると水が染み込むのに時間がかかります。
・アルミホイルやティッシュは作りやすい大きさでかまいませんが、サイズを大きくする場合は塩の量も増やしてください。
・電子ブザーには極性があります。うまく鳴らないときは、電池とブザーの電極(+ー)をもう一度確かめてください。
砂糖水は電気を通す?
「雨降りセンサー」を使って、身のまわりの物質が電解質かどうかを調べることができます。砂糖や入浴剤などの水に溶ける粉は、塩の場合と同じようにティッシュにつつんで水をたらします。しょうゆや酢などの液体はそのまま、ティッシュの上から数滴たらします。いろいろ試してみましょう。
意外と大きい水の電気抵抗
一般的に水は電気を通すと思われがちですが、実はほとんど電気を通しません。金や銅に比べると水道水は10億倍も抵抗率が大きく電気を通しにくいのです。塩分が溶けた海水でも金や銅の1000万倍の抵抗率です。そのため、今回の実験では1.5V用のブザーに9Vの電池を使用する工夫をしています。
うそ発見器の原理
人はうそをつくなどして緊張すると汗をかきやすくなります。汗には電解質である塩分が含まれているので、うそをつくと皮ふの電気抵抗が減少して電流が流れやすくなります。おもちゃのうそ発見器は、このしくみを利用して簡易的に心理状態の変化を表示するものです。警察の捜査で使われるポリグラフ(うそ発見器)は、皮ふの電気抵抗だけでなく、血圧・心拍・呼吸などの多くの生理的変化を同時に測定し、総合的に身体的・精神的反応を検査しています。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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