試してフシギ

光の屈折アレッ!進行方向が変わる?(No.134)

アレッ!進行方向が変わる? アレッ!進行方向が変わる?

実験監修:愛知工業大学客員教授 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

メガネや望遠鏡など、私たちのまわりには光の屈折を利用した道具や機械がたくさんあります。レンズは空気とガラスの境界面での光の屈折を利用したものですが、光が屈折するのはガラスだけではありません。たとえば、空気から水に光が入射すると、屈折して進む方向が変わります(実験1)。No.133で紹介したシュリーレン現象も、光の屈折による現象でした。ところで、どうして光は屈折するのでしょう。

そうかなるほど

光の屈折は、透過する物質によって光の速度が変わるためにおこります。ちょうど、車の片方の車輪だけが砂にさしかかって回転速度が落ちたとき、もう一方の車輪がそのままの速度で回転すると車軸の向きが変わるようなものです(実験2)。でも、どうして物質によって光が伝わる速度が変わるのでしょうか? 真空中の光(光子)は衝突する相手がいないので秒速30万kmの速度で進みます。ところが、たとえば光が透明なガラスに入射すると、光はガラスをつくっている原子と衝突して持っていたエネルギーを主に電子に渡して消滅してしまいます。エネルギーを受け取った電子は、元のエネルギーが低い状態に戻ろうとして光を放出し、放出された光が次の原子と衝突して…ということが次々とくり返されて光は進むのです。物質の密度が大きいほど衝突する回数が多くなり、光が伝わる速度も遅くなるのです。

材料

1. 炭酸飲料用500ml
ペットボトル(円筒形) 1本
2. 透明下じき 1枚
3. スチレンボード(B4) 2枚
※黒い紙がはってあるもの
4. 画びょう 2個
5. ボールペン 2本
6. ペンライト 2本
7. コーヒー用クリーミング 1個
8. 工作用スポーツタイヤ 2個
9. 木の丸棒(8mm径、長さ30cm) 1本
10. ワッシャー 2個
11. たこ糸(長さ50cm)
12. ゼムクリップ 1個

工作の完成品

道具

•はさみ
•カッターナイフ
•コーキング剤
•多用途接着剤
•ビニールテープ(黒色)
•両面テープ(5mm幅)

光のレンズで屈折を観察しよう。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    ペットボトルを切って折り目をつけ、凸レンズの形にします。

  • 2

    透明下じきを図のように切ります。破線の位置に折り目をつけて曲げ、箱型にして接着します。水がもれないよう折り目や接着部にコーキング剤をぬります。

  • 3

    1枚のスチレンボードに(A)(B)の形の穴をあけ、裏面からはみ出さないようにはめこみます。ボードの裏面から(A)(B)の周囲にコーキング剤をぬり、もう1枚のボードをかさねてはりあわせます。

  • 4

    ボールペンの(C)の部分の中心に光を通す小さな穴を画びょうであけ、ペンライトに取りつけます。つなぎ目から光がもれないように黒いビニールテープで巻きます。
    ※レーザーポインターがある場合は、この工作は必要ありません。

  • 5

    1、2滴のクリーミングをまぜた水を(A)(B)に注ぎます。

  • 6

    暗い場所でボードに光をはわせるようにすると、光の屈折が観察できます。光を当てる位置や角度を変えてみましょう。

車輪の工作で屈折を観察しよう。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    丸棒にタイヤを通します。ビニールテープをタイヤの両側の丸棒に巻いてストッパーにします。

  • 2

    丸棒の両はしに画びょうでワッシャーとたこ糸を取りつけ、ゼムクリップで引っぱるようにします。

  • 3

    机やフローリングの床など、凹凸がなく水平な面に両面テープを斜めにはります。

  • 4

    ゼムクリップを持ってゆっくり糸を引きます。両面テープの上を通るとき、車輪の回転が遅くなって進む方向が変わります。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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