試してフシギ

りん光暗やみで光るスライム(No.127)

暗やみで光るスライム 暗やみで光るスライム

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

No.126の「クロロフィル」No.125の「ブラックライト」の実験は、光をあてている間だけ光って見える蛍光の実験でしたね。でも、今回つくったスライムは暗いところでずっと光りつづけています。ちょっと不思議ですね。どんな違いがあるのでしょう。

そうかなるほど

蛍光は、光を吸収してエネルギーの高い状態(励起状態)になった電子が、もとの安定な状態(基底状態)にもどるときに出す光でしたね。ところが、基底状態にもどるときに、いったん中間のやや安定した状態に移ってから、ゆっくりと発光して基底状態にもどる「りん光」という現象があります。No.88の「磁石」で説明したように、電子には自転(スピン)する磁石のような性質があります。実際にスピンしているわけではありませんが、互いにマイナスの電荷を持っていて反発し合うにもかかわらず、2つの電子が原子核のまわりの同じ軌道にいられるのは、逆向きのスピンを持った電子が磁力で引き合っているためと考えます。つまり、基底状態にある2つの電子のスピンは逆向きになっています。光のエネルギーを吸収して電子が励起状態になるとき、基本的にスピンの向きは保存されるため、電子は蛍光を出して基底状態にもどることができます。ところが、重い原子核のまわりでは、電荷を持った電子が軌道を公転するようにまわることで発生する磁力(磁気モーメント)と自転の磁力とが相互作用して、励起した電子のスピンが反転することがあります。すると、ある確率でもう一度反転しないと基底状態にはもどれません。このため、励起状態にいる時間が長くなって、結果的にゆっくりと発光しながらエネルギーを放出するのです。

材料

1. りん光材料 2g
※「夜光」、「蓄光」と表記されていることが多い。
※水性と油性がありますが、水性タイプを使用します。
※粉末と液体がありますが、どちらを使用してもかまいません。
2. ほう砂(四ホウ酸ナトリウム) 2g
※薬局で購入できます。
3. 合成洗濯のり(PVA) 30ml

工作の完成品

道具

•プラスチックコップ 3個
•わりばし

[工作の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・ スライムをさわった後は、よく手を洗いましょう。
スライムがとれにくい場合は、酢をつけるととれやすくなります。
・スライムを口に含んだり飲み込んだりしないでください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしない

  • 1

    ぬるま湯30mlにほう砂をとかします(A)。
    水30mlにりん光材料をとかします(B)。
    洗濯のり30mlを準備します(C)。

  • 2

    (C)に(B)を加え、よくかきまぜます。

  • 3

    コップ(C)に(A)を加えて、かたくなるまでよくかきまぜます。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・ スライムをさわった後は、よく手を洗いましょう。
スライムがとれにくい場合は、酢をつけるととれやすくなります。
・スライムを口に含んだり飲み込んだりしないでください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしない

  • 1

    (1)スライムに光をあてます。
    (2)暗い所に持っていくと、しばらく光りつづけます。

    保存したい場合は、ジッパーつきフリーザーバッグに入れておくと長持ちします。
    ※スライムを捨てるときは燃えないごみとして捨ててください。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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