試してフシギ

クロロフィル緑の野菜がワインカラーに(No.126)

緑の野菜がワインカラーに 緑の野菜がワインカラーに

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

野菜から取りだした緑色の溶液に光をあてると、まるでワインのように赤く見えます。おまけに、赤い液体の影が緑色に・・・。ちょっと不思議な光景ですね。

そうかなるほど

溶液の緑色は野菜から抽出したクロロフィル(葉緑素)の色です。No.122の「光合成」で説明したように、クロロフィルは目に見える光のうち、青や赤の波長(エネルギー)の光を吸収して、緑の波長の光を反射しているため緑色に見えるのです。光を吸収したクロロフィルはエネルギーの高い状態になり、隣のクロロフィルにそのエネルギーを渡して、もとの安定な状態に戻ります。こうして、吸収された光のエネルギーは最終的には光化学反応中心と呼ばれるクロロフィルに渡され、そこでつくりだされた電子の流れが光合成のエネルギーとなります。ところが、抽出されたクロロフィルのようにエネルギーを渡す相手がいないと、クロロフィルは吸収したエネルギーを蛍光として放出し、安定な状態に戻ります。このとき放出される蛍光は、クロロフィルが吸収した波長よりも長い(エネルギーが低い)赤い波長の光となります。このため暗い場所で溶液を照らすと、赤い蛍光が際立ってワインのように見えるのです。そして、クロロフィルは青や赤の波長の光は吸収しますが、緑の波長の光は吸収しないので、溶液を透過した白色光は緑色に見えます。このため、影の部分が緑色になったのです。

材料

1. 緑色野菜の葉
※アオジソ、ホウレンソウなど
2. 消毒用エタノール 50ml
3. コーヒーフィルター 1枚
4. ガラス容器(約50ml) 1本
5. LEDライト
6. 白い紙

工作の完成品

道具

•すりばちとすりこぎ
•紙コップ

[工作の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・消毒用エタノールはラベルに記載されている「使用上の注意」をよく読んでから使いましょう。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってく

  • 1

    野菜の葉を細かくちぎって、すりばちでよくすりつぶします。

  • 2

    すりつぶした野菜がひたひたになるくらいのエタノールを加えて、さらにすりつぶします。

  • 3

    コーヒーフィルターでろ過します。

  • 4

    (1)~(3)をくり返して、溶液がたまったら容器にうつします。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・消毒用エタノールはラベルに記載されている「使用上の注意」をよく読んでから使いましょう。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってく

  • 1

    暗いところで白い紙の上に容器を置き、横からライトを照らします。光が当たっている部分が赤色に、液面と影は緑色に見えます。ライトを容器に近づけるとワインカラーがよく見えます。ライトの位置や見る角度を変えて観察してみましょう。

    ※観察し終わった液体を捨てるときは、たくさんの水でうすめましょう。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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