試してフシギ

偏光板偏光板で遊ぼう(No.123)

偏光板で遊ぼう 偏光板で遊ぼう

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

ケースに入った円盤を回転させると、絵が消えて数字だけになります。液晶画面や立体映画のメガネなどに利用されている偏光板を使った工作ですが、偏光板はどんなはたらきをしているのでしょう?

そうかなるほど

光は横波の性質を持っていて、進行方向に対して垂直に振動しています。太陽や電球の光など、ふだん私たちが目にしている光は進行方向に垂直な面内でさまざまな方向に振動している光の集まりです。これらの光も反射や屈折をくり返したり、No.100で紹介した方解石などの結晶体を通ると、ある方向にだけ振動する成分が多い光、偏光になります。
偏光板は、あるひとつの方向に振動する光の成分だけを通過させるようにつくられたものです。工作で使ったフィルム状の偏光板は、これまでにこのページで紹介した気泡や終端速度の実験、スライムなどで使った洗濯のりに含まれているPVA(ポリビニルアルコール)などの高分子樹脂にヨウ化物系の色素を吸着させたシートを、一方向に強く引っ張って引き伸ばし、分子の並び方をそろえたものです。ここに光が入射すると、細長い分子の並びに平行な振動成分は吸収されて垂直な成分だけが透過するため、振動方向がそろった偏光となるのです(図1)。このため、この偏光板を2枚重ねて明るい方向を見ると、2枚の偏光板の向き(分子が並んでいる方向)が同じときは明るく見えますが、直交させると光が透過しなくなって暗くなります(図2)。
また、セロハンテープを重ねてはった透明な下じきを2枚の偏光板の間にはさむと、セロハンテープに色がついてステンドグラスのように見えます。下じきや片方の偏光板を回すと、セロハンテープの色も変わります。これは、セロハンを光が通るとき、光の波長によって振動面の角度(ひねられ方)がわずかに異なる偏光になるためです。セロハンも繊維状のセルロースを一方向に引き伸ばしてつくっているので、偏光特性を持つのです。

材料

1. 偏光板(25cm角) 1枚
※接着式でないもの
2. CDケース 1枚
3. CD 1枚
4. 透明な下じき 1枚
5. 輪ゴム 1本

工作の完成品

道具

•ハサミ
•ペイントマーカー
(黄・白・オレンジ)
•セロハンテープ
•カッターナイフ
•ストロー

下記のPDFをプリントアウトしてください。

図案

[PDF:180KB]

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や火気、器具の取り扱いには十分注意し、けがやヤケドをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    ダウンロードしたイラストをカラーコピーして円にそって切ります。偏光板を4等分に切り、偏光板(A)をCDにあわせて円く切ります。

  • 2

    CDにイラストと偏光板(A)を固定します。偏光板にペイントマーカーで、イラストをなぞって数字を書きます。
    見本の数字は1と5を黄、2と4を白、3と6をオレンジで書いています。

  • 3

    CDケースのふたを図のように切りとります。偏光板(B)をふたの大きさにあわせて切ってはさみさしこみます。

  • 4

    ケースに円盤を入れて、円盤を回転させると、絵が見えたり、数字が見えたりします。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や火気、器具の取り扱いには十分注意し、けがやヤケドをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

実験2

  • 1

    透明な下じきに偏光板(C)をはります。裏がえして下じきにセロハンテープを重ねてはっていきます。

  • 2

    偏光板(D)を通して下じきを見ます。テープの重なった部分に色がついて見えます。下じきや偏光板(D)を回転させると、テープの色が変わります。

実験3

  • 1

    下じき(a)の上に輪ゴムを置きます。

  • 2

    輪ゴムの内側に水をそそぎます。下じき(b)をのせ、冷凍庫で凍らせます。

  • 3

    偏光板(C)に下じきを固定します。

  • 4

    偏光板(D)を通して下じきを見ると、氷の結晶が色づいて見えます。下じきや偏光板(D)を回転させると、結晶の色が変わります。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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