試してフシギ

光弾性隠れた力を見る(No.100)

隠れた力を見る 隠れた力を見る

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

透明なプラスチック製品を偏光板で挟んで観察すると、虹色のしま模様に色づいて見えることがあります。偏光板やプラスチック製品を回転させたり見る位置を変えたりすると、色づき方が変化します。透明なプラスチックなのにどうして虹色に色づくのでしょうか?

そうかなるほど

方解石という鉱物を通して文字を見ると、文字が二重に見えます(左の写真)。光に対する性質に方向性があるような物質に光が入射すると、屈折光は二つの方向に分かれて進みます。方解石はこの性質(複屈折)が大きい鉱物なのです。複屈折は原子や分子が一定の方向に並んでいるような物質で見られますが、プラスチックのように分子が不規則に絡み合っている物質でも、分子が一定の方向に並ぶとこの性質が現われます。複屈折を起こす物質を薄くして3枚の偏光板に挟んで観察すると、二つの方向に分かれた屈折光が干渉し合ってさまざまな色彩の干渉色がます。透明なプラスチック製品でも、形を作る時などに加わった力で分子が一定方向に並ぶと、同じように色づきます。また、2枚の偏光板に挟んだ透明なプラスチックに力を加えると、分子の並び方が変わることで屈折率がわずかに変化し、干渉色も変化します。この現象を光弾性といい、力の加わり方を観察する方法として利用されています。

材料

1. 偏光板(10cm×10cm)2枚
2. 工作用紙またはボール紙
(B4サイズ)2枚
3. 透明な下敷き 1枚
4. 透明なプラスチック製品
(スプーン、フォーク、CDケース、
三角定規や分度器など)

工作の完成品

道具

・コンパス
・カッターナイフ
・はさみ
・セロハンテープ
・のり
・ものさし

[工作の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    工作用紙から直径18cmの円を2枚切り取ります。それぞれの円の中心に1辺が9cm角の窓を切り抜き、偏光板をセロハンテープで固定します。

  • 2


    工作用紙からAを2枚、BとCを1枚ずつ切り、組み立てます。

  • 3

    透明な下敷きからドーナツ形などを切り出します。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    偏光板をAとBの溝に立て、観察するものの厚さに合わせて2枚の偏光板をなるべく近づけます。

  • 2

    正面から偏光板を見ながら片方の円盤を回転させ、視界が最も暗くなる状態にします。

  • 3

    透明なプラスチック製品を偏光板の間に入れて観察します。一方の偏光板を回転させると干渉色が変化します。

  • 4

    切り出した下敷きを偏光板の間に入れ、変形させながら観察しましょう。干渉色が現われます。透明な物に何枚も重ねてはったセロハンテープ、引き伸ばしたビニールなどでも干渉色が見られます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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