試してフシギ

ストロボ効果前進?後進?(No.117)

前進?後進? 前進?後進?

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

絵を描いた円盤を勢いよく回転させると、絵は見えなくなりますね。でも、スリットを入れたもう一枚の円盤を回転させて、スリットを通して見てみると、あれっ! 絵が見えるようになったし、絵の動きがゆっくりと右まわりになったり左まわりになったり、うまくすると止まったように見えることもあります。ちょっとふしぎですね。

そうかなるほど

ちょっとだけ頭の中で想像してみましょう。中心から離れたところに1カ所だけ印をつけた白い円盤が、暗い部屋の中で1秒間に1回転していて、1秒間に1回だけストロボのように瞬間的に円盤に光があたっているとします。例えば、印が頂点の位置に来た瞬間に光があたって、印が見えたとします。次の瞬間には暗くなって何も見えなくなりますが、1秒後に印が再び頂点に来たときには、また光があたって印が見えます。これを連続して見ていると、印が頂点にあるときだけ見えることになりますから、印はそこにとまっているように見えるはずです。円盤の回転が光の点滅よりも少しだけ早いと、印は円盤の回転方向にゆっくりと動いているように見えますし、逆の場合は回転方向とは逆の方向に動いているように見えます。頭の中で試してみてください。今月の実験では光を点滅させるかわりにスリットを使って「見える」状態と「見えない」状態とをつくっているのです。
テレビで車輪やヘリコプターのローターが回転しているシーンを見ていると、逆方向に回転しているように見えることもありますね。これも同じ原理です。テレビの画面はなめらかに動いているように見えますが、実は1秒間に30枚の絵が次々と切りかえられています。つまり、1秒間に30回点滅する光で撮影したものを見ていることになるため、同じような現象が見られるのです。

材料

1. 厚紙(15cm×15cm)2枚
2. いらなくなったCD 1枚
3. 画びょう 4個
4. 黒い紙(15cm×15cm)1枚
5. スチレンボード(A4 7mm厚)1枚
6. プラスねじ(長さ6~8mm)4個

工作の完成品

道具

•のり
•ハサミ
•万能接着剤
•カッターナイフ
•プラスドライバー

下記のPDFをプリントアウトしてください。

図案1

[PDF:15KB]

図案2

[PDF:13KB]

[工作の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    印刷したイラストを厚紙にはります。

  • 2

    イラストを切り取って、CDにはり、中心に両側から画びょうを接着します。

  • 3

    黒い紙を図のように切ります。厚紙に(a)をはって切り取り、中心に両側から画びょうを接着します。

  • 4

    スチレンボードを切り、(A)(B)のねじを取りつける位置に印をつけます。

  • 5

    スチレンボード(A)(B)の印の位置にねじを取りつけます。画びょうの先端をねじの頭ではさんで(2)の円盤をセットします。

  • 6

    図のようにスチレンボードを接着してから、黒い円盤をはさんで組み立てます。(B) の片方に(b) をはります。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    イラスト付き円盤を回します。

  • 2

    黒い円盤を回し、片目でスリットのすき間からイラストを見ます。

    回転しているのにイラストを見ることができます。

●No.86では回転式アニメの実験を紹介しています。

フェナキスティスコープ

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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