試してフシギ

ゴフ・ジュール効果輪ゴムでまわる観覧車(No.115)

輪ゴムでまわる観覧車 輪ゴムでまわる観覧車

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

輪ゴムを軸とリングにかけて自転車のスポークのようにした観覧車。ライトをあてるとゆっくりと回転をはじめます。どうして動きはじめたのでしょう?

そうかなるほど

No.68では、ゴムはたくさんの分子が鎖のように長くつながっていて、ところどころで鎖に橋がかかってからまっているような構造をしていることを話しました。このゴムの分子を図-1のようにひきのばしてしまうと分子はこの形しかとれませんが、ちぢんだ状態では熱振動によって図-2のようにいろいろな形をとることができます。自然界はより乱雑な状態、つまり自由度が大きい方向に動こうとしますが、ゴムはちぢんでいたほうが自由度が大きいことになるため、のばしたゴムはちぢもうとするのです。また、一般に物質は温度が上昇すると、より自由度の大きい状態になるため、のばしたゴムを実験Aのようにあたためるとちぢむのです。今月号の観覧車はこの性質を利用したものです。観覧車を部分的にあたためると、その部分のゴムがちぢむために軸の位置が中心からわずかにずれ、バランスがくずれて回転をはじめるのです。盲目の科学者ゴフは、ゴムを急にひきのばすと発熱し、元にもどすと温度が下がることや、ひきのばしたゴムをあたためるとちぢむことを発見しました。その後、物理学者ジュールによってくわしく研究されたことから、この現象は「ゴフ・ジュール効果」と呼ばれています。

工作の完成品

材料<実験A>

1. 角材(1cm×1cm×30cm) 1本
2. くぎ(長さ2cm)2本
3. 輪ゴム(#18)1本

材料<実験B>

3. 輪ゴム(#18)8本
4. スチレンボード 1枚
(紙はり B4 5mm厚)
5. ピアノ線
(0.5mm径 長さ15cm)1本
6. ビーズ 4個
7. 銅線または
アルミ線、スチール線 1本
(0.5mm以下 長さ約10cm)

道具

•かなづち
•油性ペン
•ライト(100W)
•カッターナイフ
•万能接着剤
•ホチキス
•ニッパー

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    角材にくぎを打ち、輪ゴムをひっかけます。油性ペンで中心に印をつけます。

  • 2

    ゴムの片側をライトの光であたためます。しばらくするとゴムの中心がライトをあてている側に動きます。ゴムはあたためられるとちぢむことがわかります。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    ピアノ線の中央付近に約2mm幅の溝が2ヵ所できるようビーズを接着して軸を作ります。

  • 2

    スチレンボードから

    (A)外径20cm×内径16cm・・・1枚
    (B)12cm×3cm・・・2枚
    (C)20cm×7cm・・・1枚

    を切りとります。

  • 3

    (B)を図のように切り、ホチキスの針を刺して、針の中心をへこませ、軸受けにします。(B)と(C)を接着して台にします。

  • 4

    (A)の印の位置と軸に輪ゴムを順にかけます。
    ※イラストはわかりやすくするため色分けしています。

  • 5

    軸が中心になるよう輪ゴムの張りぐあいを調整します。

  • 6

    台にリングを乗せます。1~2周するくらいリングを軽く回転させ、止まり方を見ます。振れずに止まる場合は完成です。

    (1)振り子のように左右に振れてから止まる場合は、銅線を重りにして調整する必要があります。

    (2)振れが止まったときのリング頂上に、1~2cmに短く切った銅線を刺してバランスを調整します。

    (3)再び軽く回転させ、振れずに止まるまで繰り返し銅線を刺して調整します。

  • 7

    電球で片側をあたためると車輪がゆっくり回転しはじめます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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