試してフシギ

放物線焦点に向かうクッションボール(No.113)

焦点に向かうクッションボール 焦点に向かうクッションボール

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

No.99では、だ円の壁にぶつかるクッションボールで遊びましたね。今月は放物線の壁です。放物線の軸に平行にころがしたビー玉は、放物線の壁にぶつかってはね返ると必ず焦点に向かってころがります。ちょっと不思議ですね。工作をして実際に確かめてみましょう(実験A)。

そうかなるほど

放物線はその名前のとおり、物を投げたときにえがかれる曲線で、斜め上に向けて放水すると、水は放物線をえがいて飛んでいきます。この放物線もNo.99で紹介した円すい曲線(二次曲線)で、円すいを母線(円すいの頂点と円周点を結ぶ直線)に平行な面で切断したときの切り口の形です。また、放物線は点Fと直線dからの距離が同じになる点をえがく図形でもあり、Fを焦点、Fを通ってdに垂直な直線を放物線の軸といいます。放物線の形をした鏡は、この軸に平行に入ってきた光を焦点に集め、逆に、焦点から出た光を軸に平行な方向に反射します。このことを応用したのがパラボラ(=放物線)アンテナです。身近なところにも放物線はいろいろあります。たとえば中華なべ。正確ではありませんが、放物線に近い形をしています。中華なべで鏡をつくって太陽光を集め、焦点付近の温度を計ってみましょう(実験B)。まわりよりも温度が高くなっていることがわかります。

工作の完成品

材料<実験A>

1. スチレンボード
(25cm×25cm×0.7cm厚) 1枚
2. リップルボード
(A:15cm×10cm)1枚
(B:35cm× 2cm) 2枚
3. 包装用発泡シート
(35cm×2cm×0.1cm厚) 1枚
4. ビー玉 1個

材料<実験B>

5. 不用になった中華なべ 1個
※写真は100円ショップで
購入したものです。
6. アルミ粘着テープ
(幅5~7cm×2m)
1本

道具

•温度計
•はさみ
•スプレーのり
•カッターナイフ
•プラスチック用接着剤
•両面テープ

下記のPDFをプリントアウトして、スチレンボードに張ってください。

放物線の図

[PDF:680KB]

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    下記PDFをプリントアウトして、スチレンボードにはります。
    放物線の図[PDF:680KB]

  • 2

    焦点Fの部分に穴をあけます。

  • 3

    リップルボード(A)を折り曲げてスチレンボードにはります。

  • 4

    リップルボード(B)の凹凸面が外側になるようにして、放物線に沿って垂直にはります。2枚目も凹凸面が外側になるように重ねてはります。

  • 5

    リップルボード(B)の内側に包装用発泡シートをはります。

  • 6

    斜面にビー玉を置いて転がします。どの位置から転がしても放物線ではね返ったビー玉は焦点の穴に入ります。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    中華なべの内側にアルミテープをはります。

  • 2

    なべの内側を太陽に向けて壁や箱などに立てかけます。

  • 3

    なべ底から少し離れた空間の温度を測ります。焦点付近では他の場所よりも高温になっていることがわかります。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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