NGKサイエンスサイト

  • 日本ガイシ

静電気と電磁波のマジックコヒーラー

もっと知りたい!

原理は謎のまま実用化され、広く使われたコヒーラー

初期のコヒーラーには、電極の間に金属粉末を詰めたものが多く使われていました。というのもコヒーラーの原理は、19世紀末に金属粉末の電気的な性質を研究している際に、偶然発見されたからです。
金属粉末が電波を受けると電気抵抗が激減することがわかり、やがて電波の検出器に応用されるようになりました。この時点では、電波によって金属粉末が密着するためと考えられていたので、コヒーラーの名称は「密着する」という意味の言葉から取られました。実際の原理とは少し違っていたのですが、実用上は問題なく、代わりの手段もなかったので真空管が普及するまで広く使われました。悲劇的な最期を迎えたタイタニック号にも、コヒーラーを使った無線電信機が積まれていました。

図説

実際にパチパチ火花を飛ばしていた初期の送信機

今回の実験では、電磁波を発生させるために静電気をためて放電する方法をとっています。部屋を薄暗くして放電すると、パチッと火花がとぶ様子が観察できます。実は、初期の無線電信の送信機には、これと同じ原理が使われていました。1887年にドイツの物理学者ハインリッヒ・ヘルツが「火花放電」によって発見した電磁波を利用したものです。ヘルツは、静電気を電源とし、放電によって電磁波が発生することを確かめました。ちなみに、周波数の単位に使われるヘルツは、彼の名前から付けられています。

火花放電による送信機も、コヒーラーによる受信機も多く研究者によって改良され、通信距離を伸ばしていきます。そして、1901年にはイタリアのグリエルモ・マルコーニによって大西洋を隔てた無線電信実験に成功し、無線通信の時代の幕が上がりました。テレビ放送や携帯電話につながる無線通信が、火花放電とコヒーラーによって始まったと考えると興味深いですね。

ご利用者アンケート!ご利用者アンケート!

この実験は参考になりましたか?

ボクもワタシもやってみました!みんなの実験レポート!!

ページのトップへ