おいしいフシギ

ガーデニングフォカッチャ(No.29 発酵)

  • 調理時間2時間30分
ガーデニングフォカッチャ(No.29 発酵) ガーデニングフォカッチャ(No.29 発酵)

監修:ケーキデザイナー・芸術教育士 太田さちか、東京理科大学 教授 山本貴博 ※監修者の肩書きは掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

ふっくらの秘密は微生物にあり

古代ローマ時代からつくられていたというフォカッチャは、イタリア料理で欠かせない平らなパンです。つくり方は簡単。小麦粉、ドライイースト(乾燥した酵母)を混ぜてこねると、酵母の働きによりアルコール発酵が進み、発生した二酸化炭素(CO2)で生地が膨らみます。ふっくら生地のキャンバスを天板いっぱいに広げて、色とりどりの野菜で花や草木を描いてみましょう。こんがり焼き上げたら、華やかなガーデニングフォカッチャのできあがり!

30分発酵させると生地が約2倍に膨らむ

Science point

古来より活用されている微生物パワー

パンは、パン酵母による発酵の現象を利用してつくられます。酵母がパン生地の糖分を分解すると二酸化炭素(CO2)が発生し、このガスによってパンが膨らむのです。パン酵母の他にも、ビール酵母やワイン酵母などを利用して、人類はさまざまなお酒や食品をつくってきました。発酵に関わる微生物は酵母類だけではなく、乳酸菌や納豆菌などの細菌類、こうじ菌や白カビなどのカビ類があります。中でもこうじ菌(学名:アスペルギルス・オリゼー)は、しょうゆやみそに代表されるように日本の食文化には欠かせません。2006年には日本醸造学会が、こうじ菌を日本の「国菌」に定めました。

ちなみに、「こうじ」を表す漢字は、中国から伝わってきた「麹」と、「米に花」と書く和製漢字の「糀」があります。これは、蒸した米でこうじ菌を育て、みそや日本酒の仕込みに用いる日本ならではの表現といえます。実際に顕微鏡で、米の表面に広がったこうじ菌を観察すると、まるで花畑のようです。

日本におけるこうじ菌の培養の歴史は古く、室町時代には99%の純度で培養する技術が確立していたといわれています。ドイツの細菌学者ロベルト・コッホが微生物の純粋培養に成功した1870年代よりも5世紀も前のことです。700年も昔の日本人が、いかにして高度な培養技術を発展させたのか驚くばかりです。菌の世界が、私たちの暮らしを豊かにすることに先人たちは気付いていたのですね。

ガーデニングフォカッチャの解説図
米麹の顕微鏡写真
画像提供:東京理科大学 山本貴博研究室

材料のイメージ画像

2人分(1枚)

強力粉
200g
ドライイースト
3g
グラニュー糖
6g
オリーブオイル
10g
160g
ふたつまみ
赤玉ねぎ、赤パプリカ、ブラックオリーブ、ネギ、黒ゴマ、ハーブ、パンプキンシードなどをお好みで

つくり方

下準備

  • ・天板にオーブン用シートを敷く。
  1. ボウルに分量の強力粉、塩、グラニュー糖、ドライイーストを入れます。

    作成中のイメージ画像
  2. 生地にオリーブオイルと水を加え、ゴムベラで混ぜ合わせてひとまとまりにして、ラップをかけて30分発酵させます。

    Science point

    パン酵母は、嫌気性の環境でアルコール発酵を行います。生地にラップをかけて乾燥を防ぐとともに、二酸化炭素の発生を促して生地を膨らませます。
    パン酵母が活発に活動する温度は30~40℃です。冬場など気温が低いときは、生地の入ったボウルを湯せんで温めたり、電子レンジなどの発酵機能を利用して、生地を膨らませてください。

  3. 膨らんだ生地を、ボウルの底からすくうようにゴムベラで混ぜ合わせ、再びひとまとまりにして、ラップをかけて30分発酵させます。これをもう一度繰り返し、さらに30分発酵させます。

  4. 生地を二次発酵させている間に赤玉ねぎ、赤パプリカ、ブラックオリーブなどの野菜を薄くスライスします。

  5. ラップを外して生地を天板の上にのせ、オリーブオイル(分量外)を回しかけます。ゴムベラで厚さ2cm程度に広げて、生地の表面に指で数か所くぼみをつくります。

    Science point

    穴を開けずに焼くと、中央がふくらみ、描いた絵が崩れてしまいます。空気(水蒸気)の抜け穴をしっかりつくることで、平らに焼き上げることができます。

  6. 野菜やハーブで花弁(赤玉ねぎや赤パプリカ)や雄しべ(黒ゴマ)、茎(ネギ)、葉(パンプキンシード)、実(ブラックオリーブ)などを表現して、生地の上に草花を描きます。

  7. 塩(分量外)をふり、200℃に予熱したオーブンで30分焼きます。

  8. 完成

    完成品のイメージ画

注意事項

  • 必ず手順を読んでから調理を行ってください。
  • 調理器具、特に火気などの取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
  • 小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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