試してフシギ

雪の結晶ペットボトルの中でつくる雪(No.97)

ペットボトルの中でつくる雪 ペットボトルの中でつくる雪

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

雪の結晶は上空の雲の中でできた小さな氷の粒が成長したもの。成長のしかたはまわりの温度や水蒸気の量によって変わるため、雪の結晶にはいろいろな形があります。世界で初めて人工的に雪の結晶をつくることに成功した中谷宇吉郎は、降ってきた雪の結晶の形を見れば、その結晶が成長した上空の様子がわかるとして、「雪は天から送られた手紙である」と表現しました。宇吉郎は自然界でできる雪の結晶を低温室で再現させ、結晶の形と成長条件との関係をダイヤグラム(右図)にまとめました。低温室がなくても、今回紹介する「平松式人工雪発生装置」を使えばペットボトルの中で雪の結晶をつくることができます。雪の結晶が成長する様子を観察してみましょう。

実験でつくる雪の結晶

雪の結晶をつくるには(1)たくさんの水蒸気 (2)氷点下の低温 (3)氷の粒ができるための核、の3つが必要です。実験では、ペットボトルをぬらして、さらに何度も息を吹きこむことで水蒸気をつくり、ドライアイスを使うことで氷点下の低温にし、つり糸を氷の粒の核にすることで雪の結晶をつくり出します。

材料

1. 炭酸飲料用500ml
ペットボトル 1本(円筒形)
2. 発泡スチロールの箱 1個
(タテ16cm×ヨコ18cm×高さ15cm)
3. 消しゴム 1個
4. ゴムせん(6号) 1個
5. つり糸60cm 1本
(0.3号など直径0.1mm以下の細いものが望ましい)
6. ドライアイス 1~1.5kgくらい

工作の完成品 【平松式人工雪発生装置】

道具

・カッターナイフ
・ホチキス
・かなづち
・軍手

[工作と実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・ドライアイスを素手で取り扱うとヤケドをする恐れがあります。必ず軍手をはめましょう。
また、ドライアイスは冷蔵庫など密閉された場所に保管しないようにしましょう。
・工作を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにし

  • 1

    発泡スチロール箱のふたの中央に、ペットボトルがぴったり収まる大きさの穴をあけます。

  • 2

    消しゴムをペットボトルに入る大きさに切り、中央に切り込みを入れてつり糸のまん中を通します。ひっくり返し、切り込みの少し上のところでつり糸をホチキスで止めます。

  • 3

    ペットボトル全体を湿らすために少量の水を入れてよくふり、水を捨てます。そして10回くらい息を吹き込んで中に水蒸気をためます。

  • 4

    つり糸を取り付けた消しゴムをペットボトルの中に入れて底につけます。

  • 5

    つり糸がピンと平行にはった状態にしてゴムせんをします。

    ※ゴムせんが入手できないときは、つり糸をペットボトルの口の内側にセロハンテープで止め、はみ出す分の糸を切ってキャップをゆるめに閉めるようにしましょう。

  • 6

    ペットボトルを発泡スチロール箱の中央に入れ、大きめ(3~4cm)にくだいたドライアイスを、そのまわりに入れます。箱の高さの3分の2程度まで入れましょう。

    ※ドライアイスでヤケドをしないように、必ず軍手をはめてください。

  • 7

    発泡スチロール箱にふたをして、ペットボトルの中をななめ上から見下ろします。

  • 8

    20~30分くらいでペットボトルの肩のあたりのつり糸に雪の結晶ができはじめ、成長する様子が観察できます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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