どうしてなのかな?
上の絵はいったい何でしょう? このままでは何の絵だかよく分かりませんね。白い円の部分に円筒形の鏡を置くと鏡の曲面に絵の正体が映し出されます。この不思議な絵はアナモルフォーシス(ゆがんだ絵)といい、レオナルド・ダ・ビンチも描いたことのある絵です。
そうかなるほど!
机の上にのせた絵に円筒形の鏡を置いてながめると、図のように映った絵は大きくゆがんでしまいます。これは、円筒形の鏡から距離がある絵の部分ほど小さく映るからです。絵がゆがまないようにするには、映った時にゆがむ分だけあらかじめ変形させておけば良いのです。
それでは、実験の手順にしたがってアナモルフォーシスをつくってみましょう。
ワンポイント・スタディ
金属をみがいてつくった鏡。
実験ではスチール缶をみがいて曲面の鏡をつくります。ガラスがなかった昔は金属をみがいて鏡にしました。日本では青銅を用いた銅鏡が広く使われましたが、これは弥生時代中期頃、大陸から伝わったものだといわれています。鏡は全反射を利用した道具ですから、全反射を起こす物体(金属など)の表面をみがけば立派に鏡ができるのです。
1.スチール缶 (190ml)
2.サンドペーパー 各1枚
(#240、#600、#1000、 #2000)
3.方眼紙
(A4サイズ) 2枚
4.セロハンテープ
5.はさみ
6.コンパス
7.分度器
8.鉛筆
工作の完成品
[工作と実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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1
4種類のあらさのサンドペーパーをスチール缶の幅に合わせて切ります。まず#240のサンドペーパーを缶に巻きつけてセロハンテープで固定します。
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2
スチール缶を押さえながらサンドペーパーを回し、スチール缶の表面塗料をはがします。
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3
サンドペーパーを#600、#1000、
#2000の順に取り替えてスチール缶の表面をみがき、鏡のようにきれいに仕上げます。 -
6
直交座標に図形を描き、その図形のタテ・ヨコの交点を極座標へ写し取ります。それを線で結ぶと変形した図形になります。
※曲線的な図形は写し取りにくいので、最初は直線的な図形で試してみましょう。 -
7
極座標の中心部にみがいたスチール缶を置くと、直交座標に描いた絵と同じ絵が表面に映し出されます。
※スチール缶にアルミはくを巻いても曲面状の鏡ができます。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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